表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

『波紋の種』 〜詩的散文〜

掲載日:2025/11/06

因果律について、自分なりに柔らかい散文詩にしてみたつもりです。


季節は、

兆しを拒んだまま、静かに過ぎていった。

空は曇りでも晴れでもなく、ただ、濡れていた。


その日、

わたしは風の背に身を預けていた。見えない景色の壁に、そっと触れるように。


声にならなかった祈りがあった。

誰にも触れられなかった微笑もあった。


それらは、風の底流に触れながら、果てしない波紋となって広がっていった。


誰にも気づかれないまま、けれど確かに、世界のどこかを揺らしていた。


わたしが踏みしめた影は、誰かの光に触れていたかもしれない。

見過ごした痛みは、誰かの胸に、そっと芽吹いていたかもしれない。


そう思うと、世界は少しだけ、静かに揺れているように見えた。



終わりを孕んだ始まりは、音もなく、確かにそこにあった。


時のほとりに、種のかけらが落ちていくのを、わたしは見た。


それは芽吹くことを急がず、ただ、静かに待っていた。



その徴は、今ではない。



けれど、風の奥へと運ばれていくその気配を、わたしは感じていた。


名もなき音の粒となって、遥かなる耳の奥に滲んでいく。


誰の記憶にも触れずに、ただ、ひとつの余韻として消えていく。



それでも、わたしは知っている。


その余韻が、誰かの静かな午後に、ふと波紋を残すことがあるのだと。



読んでくださった方々、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ