住宅街(6)
はじまるよ。眠いよ。
喫茶店へ行ってから2日後、何やら慌てた様子でわたるが新聞を持ってやって来た。
「この記事見てよ。」
ん?どれどれ…。って私じゃん?!
記事には私が写っている。しかも新聞のトップを飾っている。
「ドラゴンが居ると分かったら狙われるかもよ?」
「何をさ。」
「力とか?」
確かに私のスキルや魔法を狙ってどこかの誰かが動くかもしれない。いっそのこと存在を大々的にアピールしてしまうか?いや、恐怖や混乱…もう記事が出た時点でおしまいか。
一旦現実逃避のためにわたるのスマホを借りて動画や掲示板を見るが、どこも私に関する情報を求める物ばかりで気晴らしにならない…と言うか余計ストレスになった。
私が落ち込んでいるとわたるがやって来た。
「これ、使うと良いよ。」
わたるはフードのついたパーカーをくれた。それも人形の着せ替え用の。
今の私からしたらとてもありがたい物だった。外出する時にこれを持って出れば少しはマシだろう。次の外出からは携帯しよう。
あと、あまり外に出るのは止めよう。
家で魔法の研究でもしよう。そうして過ごそう。
しばらく外出をやめれば熱も冷めるだろう。
ありが…(寝たよ)




