表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の夢と曖昧な君へ、  作者: ロート


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/5

2の会話

教室内のスピーカーが震えながらチャイムを鳴らす。


「もうこんな時間か。仕方ない。じゃあ今日の授業を終わろう。号令しろ〜」


先生が書いていた手を止め、チョークを置く。


今は四時間目。つまり、このあとは昼休みだ。ということで弁当を食べようと思う。


弁当箱を取り出し、上の段の蓋を開ける。すると最初に顔を出したのは鮮やかな黄色の卵焼き。隣にはサクサクに揚げられた唐揚げ。

端の方に寄せられたみずみずしいレタスの上に赤く輝くプチトマト。

それらを飾りかのように大きく飛び出した鮭の切り身。続いて下の段の蓋を開けると、白い白米の上に黒い絨毯のように敷かれた海苔が……まあ、一人暮らしだから作ったの俺だけど。


スマホを片手でいじりながら卵焼きを一切れ口に運ぶと糸瀬が近づいてくる。


「プッ、ボッチ飯ですか?可哀想〜」


うわ、絶対に言ってはいけない禁句を言いやがったコイツ。


「お前こそどうなんだよ。つか、弁当持ってないように見えるけど?」

「私は早弁でしたので。今はお腹へってないんです〜」


コイツ早弁なんてするような奴だったか?珍しいな。

まあいい。それよりコイツをどかさないと飯が食えない。


「わかったから、一人にしてくれ。誰かに見られながら飯を食いたくねえよ」


そう言うとちょっと驚いた顔をしたあと、「仕方ないな〜」といい自分の席に戻っていった。


これで落ち着いて食えるな。さて、どれから食べようか。……ん?唐揚げが減ってる。


首を九十度回転させ、糸瀬を見ると一生懸命にもぐもぐと口を動かしてた。


嘘だろ。あの一瞬でこの握りこぶしより一回り小さいぐらいの唐揚げを頬張ってバレないと思ったのか?いや、これまでもあったか。つまりあいつの学習能力が皆無ってことか。

……可愛さに免じて今日は許してやろう。このままだと俺コイツを叱れないなくて癪だな。


「ねぇねぇ、そういえばそろそろ体育祭じゃない?湊は何の競技出るとかあるの?」

「もうそんな時期だっけか。時の流れってのは早いな〜」


糸瀬に「オジサンくさい」と言われながら考える。


俺そんなに運動神経よくねえからな〜。あまり身体能力を求められるのはやりたくねえんだけどな。


「お前はなんかあるのか?そこまで運動ができるイメージはお前にないんだが」

「う〜ん。そうだね運動はそこまでだね。騎馬戦とリレーじゃなければ平気かな」


俺、そもそもコイツと同じ団なのだろうか。それとも違う団?あまり好きな人と争いたくはないんだが。


「そもそも、俺、自分の団とか分け方とか知らねえぞ」

「嘘でしょ、先生が話してたじゃん。私達の学校は出席番号で分けるんだよ。1〜20が紅団、21〜40が白だよ。つまり、6番の湊と12番の私は紅団だよ。て言ってもまだ練習とかは始まらないけど」


ほっ、コイツと同じ団なのか。なら今年の体育祭を少しは楽しは楽しむことができそうだな。

競技でペアが必要になってもコイツに頼めばなんとか──


「……先に言っとくけど、私と同じ団だからってペア組まないからね。私にも事情があるから」


少しうつむき気味に呟く。その表情は陰になっていてあまり見えなかった。


顔が引きつる。俺、嫌われた?いやいや、何もしてないだろ。本当に何か外せない事情があるのかもしれないからな。大丈夫大丈夫。


「なんか顔引きつってるけど平気?体調でも悪いの?」

「いや……なんでもない大丈夫だ」


……これからもう少し気を遣おう。たとえ勘違いでもコイツもその方が嬉しいだろ。


「そう?じゃあそろそろ授業だしもう戻るね」


手を振りながら席に戻る糸瀬を見て思う。体育祭でかっこいいところ見せたら多少は俺のことを見てくれるだろうか。恋愛対象として。


チャイムが鳴ったため黒板を見て思う。


なんか……チョークの粉?がやけに多く舞っていて黒板が見ずらいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ