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僕の夢と曖昧な君へ、  作者: ロート
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進む道

 チュンチュンと小鳥のさえずりがする中、目が覚める。


「んっ、もう少し寝たいけど……学校いかなきゃ……」


 眠そうな顔をした青年がのっそりと体を起こすと、ベッドがギィッと音を立てる。

 そのままふらふらとした足取りで洗面台まで歩いていく。

 蛇口をキュッとひねり水を出す。

 手で桶を作り、ためた水で顔を洗う。

 

歯ブラシに歯磨き粉をつけて歯磨きを始める。

 次に、冷蔵庫からスーパーで買った冷凍のシャケを取り出し電子レンジで温めた後、茶碗にご飯を盛り付ける。

 青年が温められて湯気のあがるシャケを口に放り込む。


「はふ、はふ、ふー んっ ゴクッ、……美味しい」


 食べ終わった食器を食洗機に入れる。

 寝癖だらけの髪の毛を直しながら、学校指定の制服を着る。

 合計5教科分の教科書と弁当、水筒、モバイルバッテリーをバックに詰め込む。

 ブレザーの内ポケットに生徒証と手帳を入れて、玄関に続く階段を降りる。


 玄関で靴を履きながら、忘れ物がないかを入念に確認する。


 外に出て駐車場に止まっている自転車の鍵を開ける。

 教科書が入り重くなったバックを、自転車の荷台にくくりつけて呟く。


「……行ってきます」



−−−



ペダルに足をかけて、右足で踏み込む。

ゆっくりと動き出す自転車に置いていかれないように、前傾姿勢をとる。


森に入り、葉の隙間から日差しが降り注ぐ。


登校の時に使う道のりは下り坂が多いため、体力をそこまで使わない。

坂を降りきると、田んぼに挟まれた道路を自転車に乗った俺が疾走する。


道路が無くなって、砂利だらけの道になって自転車の操作が難しくなる。

水はけの悪い地面のせいで溜まった水たまりを避けながら、少し遠くに見える学校を視界の端に入れる。


「……間に合うかな…」


空を見上げると肌を焼いてくる太陽の隣で飛行機雲が白く輝いている。

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