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第1話 学生チュートリアル

部屋の中で目覚まし時計の音が響き渡る。

急な爆音で起き慌てて目覚ましを止め、スマホを開き時間を確認する。

急な光に目を瞑り少しづつ目を開ける。

6時半と確認した俺はそのまま慣れた手つきでゲームを起動する。


——エナジーコネクト。


中学生になった時に買ってもらったスマホで初めて入れたゲームで特に流行った訳でもなく知る人ぞ知るRPGなのだが今日いっぱいでサービスが終了するらしい。

3年近くこのゲームにお世話になってたからサ終するってのはかなり寂しいがサ終する理由は何となく分かってたからサ終すると聞いた時は正直びっくりはしなかった。


——ピロン。

ログインすると即座にメッセージが飛んでくる。


『とやみくん、おはよう!珍しく早いね!』


送り主はウェザーという名前でこのゲームで初めて出来たフレンドであり、自分が所属している2人しか居ないギルドのギルマスだ。

とやみは自分のプレイヤーネームで名前を逆にしたのをそのまま使ってる。


『おはよう。今日から高校だから、それの準備しないと』

『そっか!今日からだって言ってたもんね!頑張らないとだ!』

机の上にあるカバンと制服に目をやり今日から始まる新しい生活に不安が募る。


——ピロン。

通知音でまた画面を見るとウェザーさんからまたメッセージが来ていた。


『ところで、今日で終わりだね〜エネコネ』

『そうですね、今までありがとうございました』


ウェザーさんとは3年近くの付き合いで時間が合えば毎回パーティーを組んで遊んでいた。


リアルに友達と言える人は居なく俺の青春はウェザーさんと共に過ごしていると言っても過言ではなかった。そのためやっぱり別れは寂しくなる。


いろいろ話しているうちに準備する時間になった。


『もう時間ですので。これで』

『もう時間か…(泣)今までありがとうね(泣)頑張ってね(泣)』


最後の言葉を交わして本当の名前も知らない相棒に感謝を伝えゲームを閉じた。


ベッドから出る気のない体に無理やり喝を入れ何とかベッドから出ることに成功する。

初めて巻くネクタイに苦戦しつつも何とか着替え鏡に映る自分を見て改めて今日から高校生になるんだと実感した。


身支度を済ませたがまたスマホを開く。

家から学校までは徒歩10分で行ける距離だが登校時間ギリギリ狙う。

明日からの暇つぶしをどうしようかとアプリを探していたらちょうどいい時間になったため家を出る。


充電し忘れたイヤホンから残り10%との通知を受け今日は厄日なのかと深く息をするがむせてしまう。過去の自分を呪いたくなった。


学校に着いてすぐさまクラス分けが書かれた紙を見に行く。

1-Bが自分のクラスらしい。靴を履き替え自分のクラスに入ると1つの席にかなりの人数が集まっていた。

何に集まってるのか気になったがよく見れなかったのでとりあえず黒板に張り出されている座席順を見て自分の席に着いた。

教室の左後ろの席で先生の目を盗むには丁度いい位置だった。

それから少しして先生が入ってきてある場所に集まっていた人はゾロゾロと自分の席に戻る。


ふと気になりみんなが戻るタイミングで人が集まってた所を見る。

そこには淡い桃色の綺麗な髪の毛をした女の子が座っていた。顔までは席が遠くて上手く見れないが多分それが人が集まった理由だと安易に想像できた。



入学式が終わり一人一人自己紹介する時間がやってきて自分の番が回ってきた。


「一ノ瀬 美也斗です。趣味とか特技は特にありません。よろしくお願いします」


1番つまんない挨拶だが変に目立つよりこっちの方が楽だ。


俺みたいに適当な挨拶する人は居らず、みんなの前で1発芸したり、ちゃんと自分の趣味を紹介したりしていて少し自分が虚しくなった。


そうこう聞いていると彼女の番が回ってきた。

順番が回ってきて恐る恐る立った彼女は皆の顔色を伺い、深く息を吸う。


その時間彼女の言葉を聞き取れた人はいなかった。

なんでも人前に立つ事自体緊張するようで逆にそれが庇護欲を掻き立てさせたのか彼女の通訳者になったつもりの人や彼氏ヅラする人が増えたが俺には関係ない事なので席を立ち帰ろうとする。


イヤホンをつけエネコネを起動する。


——ピー。


エネコネの音ではなくイヤホンの充電が切れる音だった。イヤホンから聞こえる音は消え、そのまま教室に大音量で響き渡ってしまう。


「あっ…やっべ」


慌ててスマホを消すがザワザワしていた教室は一瞬で静寂に包まれ音の方、つまり俺に視線を向けられる。


皆からの視線に耐えられずそそくさと逃げるように教室を出ていった。


校門を出て深呼吸をする。


なかなかの冷ややかな視線だが明日になれば皆は気にしないだろうがこっちからしてみればなかなか気になりはする。


ふと思い出したが彼女——七宮ひよりだけは何故か視線が眩しかった気がする。



—————————


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