117話 圧倒の果て 7
「大木までは安心してくれていい。そこまでは何度も経験があるからね」
「いいわね、気配を察したら必ず足を止めるのよ。徹底なさい」
「了解です」 「了解っす」
先を知るビビットを頂点に据えひし形に密集したEシフトを敷き、目印に定める大木を目指し深域を行く。
今のところ魔物達の縄張りに接していないのか、空間を支配する濃い魔力の影響を感じるのみで不気味な静穏の中にある。
「ふむ……大体難しい顔して過ごしてるのは伊達じゃないってとこだねぇ」
何かを思いついたようにビビットがふいに語り出す。
「え?」
「ほら、あの策の事さ。野良達にエサやる時に使うただの鈴が、行進を続けられるアイテムへと変化しちまうんだから」
「ああ……う~ん、御二人がいらっしゃる事を前提としたトレードオフの選択なので、俺としては申し訳ない気持ちがありますけどね」
「ねえビビット? 限定条件付きってことで提案してみるのもいいかもしれないわね」
「そうさねぇ。サポートする側の多いあたしらにとって、やりやすくなるのは確かだ」
「はあ~……でもよくよく考えたら凄いっすね? 普通は頭ごなしに否定されたり、押し付けられるばかりなイメージっすけど」
ロングが感心した様子でうなづいている。
「そこはまあうちの統治官の度量だねぇ。あたしら──街の存在意義をよく理解してるし、国王様への大きな忠誠心の現れでもあるってとこかね」
「実情に則した柔軟な対応力……統治する側からすれば面白くない部分もあるでしょうから、中々出来る事じゃないですよね」
「御国の為。なんて信念私は薄いけれど、治世が心地良いのは誰だってそうだし、既存ルールに花を添える努力はやぶさかじゃないわ」
「そうですね。だから少しでも新しい発見やアイデアがあれば──って、言った傍からですね……」
みるみるうちに景色の全てが白い靄と化してゆく。
「みなさんこれを」
異次元空間から鈴を取り出し皆に配ってゆく。そして各々が鈴を腰にぶら下げる。
俺達の視界を妨げるこの濃霧。その範囲や発生間隔、継続時間等は全くのランダムで、深域における非常に厄介な自然現象の一つだ。
互いの間隔は凡そ二メートル程の密集した距離感なのだが、ひとたびこの濃霧が発生してしまうと、視認できる相手の姿が布越しに見える人影の如く曖昧なものになってしまい、とても行進を続けられる状況ではなくなってしまう。
なのでもし時間的制約を負っていなければ、当然より安全性を重視し霧の発生時は歩みを止め臨戦態勢をとり、魔物の襲撃に備えるべきだろう。
この、鈴を鳴らし歩みを継続するという選択はリスクとリターンを考慮した結果であり、とても尋常には実行しない策だ。
音によって魔物に気取られる確率が高まるリスクは、視界不良を承知で行進を続ける上で起こり得る離散の可能性と同等と考える。
そしてベテラン二人が俺達へ即応出来る確実な距離の維持と位置把握。これも鈴の音により担保出来ると踏んでの事だ。
先頭を行くビビットが後続のシルエットを基準にして、傍の木から進行方向に生える次の木へ着実に移動する。
逆に俺達はビビットの動きに合わせ、あらぬ方角へ進まぬよう慎重に後を追う。
と、自らに都合が良いように納得させた危うい行動ではあるのだが、停滞の焦りから沸き上がる散漫よりはましだろう。
「リーフル、ロング、頼んだよ。何か少しでも違和感を感じたらすぐに教えてくれ」
「ホ」 「了解っす」
「武器は抜いておきな。さすがのあたしもこう視界を奪われちゃあ、間に合わない可能性があるからね」
四つの鈴音が寒気を覚える白に頼りの色を添える。
互いの体をロープで結び繋いでいるような感覚を以て連携し歩みを継続する。
◇
鈴を取り出してから半刻程。行進速度は普段の半分以下といったところなので、どれ程の距離を稼げているだろうか。
しかし着実に前進しているという自信を胸に、パーティーの士気に衰えは無い。
(……そりゃそうだ。説明のつかない現象の全てが味方してくれるなんて、そんな甘い事は無いんだ)
(今までは本当に運が良かっただけ。導きがあるなら試練もあって当然──)
「──ホッ⁉ (テキ⁉)」
窮屈の元である濃霧に対しての憤りを考えていた刹那、突如リーフルが右翼側を向き警戒の声を上げた。
「リーフル?! 恨み言はげんが悪いか……!──右翼側! 魔物の気配です!」
「了解っす!」
声を上げると共に、俺達はベルの指示通り完全な静止に努める。
「おっと……」 「ええ、そうよ。そのまま……」
リーフルが声を上げ数秒も立たないうちに、何かが地を這いずるような音が急激に大きく轟き出す。
「なッ、速い⁉ あっという間に音が……!」
「チッ‼」──
左方のシルエット。ビビットが音の正体に向け猛然と駆け出す。
数秒と間を空けず響き渡る衝突の音。そしてその影響から、衝撃波と共に周囲の霧が押しのけられる。
「あら……まあそうよね」
「な……っ!」 「ビビットさん‼」
目に飛び込んできた映像にビビットの姿は無い。
あるのは、巨大なヘビと思しき生物がとぐろを巻き何かを締め上げる、息が詰まるような光景だった。
(やっぱり見逃しちゃくれないか……!)
霧を生きる大蛇、ヴェイルスリザー。
ギルドの図鑑によれば体長およそ十メートル程とされ、異世界の魔物である事を考慮すれば然程驚くようなサイズ感では無い。
だが問題は、その異常なまでの直径にある。
この世界における男性の平均身長の約半分。つまり太さが一メートル前後にもなり、その体の大半の組織が筋肉で構成されるヘビという生き物が、それ程までの密度を有しているのだ。
その筋肉量から発揮される力は、生身の人間など到底抗うことが出来ない想像を絶するもので、ブラックベア程度であれば一瞬の内にぼろ雑巾の如く搾り上げてしまうらしい。
さらにその生態は、体躯に似合わぬ非常に狡猾なものとなっている。
ランダムに立ち込める濃霧。この自然現象を利用し獲物を狩る習性をしていて、普段は地中に身を潜め、霧の発生を察知すると地上へ這い出し霧中を彷徨い滑る。
そして視界を奪われた状態の被捕食者に対し、自身は特殊能力――ギルドの図鑑からして、恐らく赤外線を感知する、ヘビが持つ特有のピット器官だろう――を用いることで、その中を自在に這い回り、獲物を一方的に捕食する。
静と動を自在にうねる大蛇。それがヴェイルスリザーだ。
「ロング!」 「はい!」
一斉に駆け出す。
そして時間差をつけ武器を振り下ろすも僅か鱗にすら到達せず、すんでのところで弾かれた。
「──なにッ⁉」
「ヤマトさん?! 今の……!」
「おかしい……まるでベルの魔法みたいに──むッ?!」
ヴェイルスリザーの体へ目を凝らす。すると、先程までこの場を支配していた霧によく似た、薄っすらとした白い靄がその外皮を覆っている様子が窺えた。
「こいつまさか、あの霧を利用して防御を張ってるのか……!」 「ホッ…… (テキ)」
「さっき全力で攻撃したっすから、あれでダメなら物理的な衝撃は通用しないって事っすか……」
「だな……多分ロングが本調子でも、俺達の武器は届かない」
張り詰めた締め上げる恐ろしい音が絶え間なく鼓膜を震わせる。
そして取り込まれているビビットの息遣いも何も、手掛かりがまるで掴めない。
(くッ……このままじゃビビットさんが……)
(いや、落ち着け! ビビットさんが力比べで劣るはずない、信じろ!)
(でもどうする……直接攻撃できないんじゃいつもの連携も意味が無い………)
何か手は無いかと頭部を見上げ、縦長の瞳孔と交わったその刹那、ヴェイルスリザーがうねる上半身を振り上げ、細く鋭い歯が並ぶ大口が襲い来た。
「──ハッ⁉ ロング避けろ!」
「おわッ‼」──
咄嗟に左右に飛び退き、地面が大きく抉り取られる。
「クッ、お構いなしに──」
(──そうか、ベルのクイーンズ・プリンシプルなら!──いやダメか……恐らくビビットさんはマグニを使ってこいつの締め付けに耐えてるんだ)
(密着状態で下手に掌握してしまったら、耐える為の魔力も奪ってしまう事に──)
「──あなた達、下がりなさい」
寒気を覚えるようなほの暗い呟き。
明らかな異質を感じ、声のする元へ視線を送る。
(えっ……何を、何が始まるんだ……)
戦域外部の霧がベルを中心に渦と集まり、その広げる両手に吸い込まれている。
そして距離があるにも関わらず、まるで見えない巨大な風船が膨らみ一帯を押し広げているかのような圧力が伝わってくる。
触覚が、本能が、ただならぬ興りを察した俺達は急ぎヴェイルスリザーから距離をとる。
──「儚い命。ご苦労様」
とても小さな呟き。しかし恐怖を感じる迫力を孕んだ言葉。
突如身底が揺さぶられる衝撃が轟く。
存在しない球体を胸元で掴むような動作をとるベルから、ヴェイルスリザーへ視線を移す。
すると、見覚えのある薄暗い半透明の靄が混沌と球の形を成し蠢いていた。
「な、なんすかあれ……⁉」
「俺の異次元空間に似た何か……」
空間、あるいは膨大な力の集合とでも表現出来るその靄が徐々に収縮してゆく。
「なッ、押し潰してるのか……?!」
徐々に狭まる靄の動きに伴って苛烈な軋む音が上がり、ヴェイルスリザーが誇る体躯がみるみるうちにひしゃげてゆく。
「──ハッ⁉ 待ってくださいベル‼ ビビットさんがまだ中に──」
「──は~い、お終いよ。ふふっ」
両の手の平が合わさると同時に、ホースが破れ水が噴き出したような液音が飛び散る。
地に張り付く圧縮された姿形からは、先程まで我が物顔で獲物に巻き付いていた力の欠片も感じられない。
「ビ、ビビットさんは──⁉」
立て続けに起こった未知の光景に度肝を抜かれ、混乱した視界でおぼろげながらもビビットの姿を追う。
しかし俺如きが抱く憂いなど、思い上がりも甚だしい。
どす黒い体液が周囲に散乱するその中心に、いつもの逞しいシルエットがしっかりと立ち誇っていた。
「──おーいベルッ! あんた二人が見てるからって張り切り過ぎだ!」
体液を拭いながらまるで自然な様子でこちらへと歩み寄って来る。
「ち、違うわよ! あの霧が鬱陶しくて……それでよ!」
「ったく……あたしじゃなきゃ諸共だよ、あの威力じゃ」
「ビビットさん! 大丈夫ですか⁉」 「ホホーホ⁉ (ナカマ)」
「ああ、何ともないさ。まあ汚れちまったのは問題だけどねぇ。はは」
大盾を脇に差し立て、余裕のある笑顔を向けている。
「はぁ……ビビットさん……よかったっす……」
「すぐに水を用意します」──
異次元空間を操作し水が満ちる樽を取り出す。
「すまないね」
「ベルさんベルさん! さっきのあれ、どんな魔法なんすか⁉」
ロングが目を輝かせベルに迫っている。
「ん~、そうねぇ……重た~い魔力で潰しちゃう。って感じかしら? ふふ」
ウインクをこちらに投げ茶目っ気を示している。
しかし先程の光景と語られた簡潔な説明から、とてもじゃないが可愛らしいという感情は抱きづらい。
「へ、へぇ~……?」
苦笑いを浮かべ耳が萎れている。
『絶対に逆らうべからず』と、恐らく俺と同じ心境なのだろう。
「さしずめ圧殺魔法……ですか。相変わらず容赦のない魔法ですね……」
「なによもぉ~……まるで私が危ない人みたいな反応。こ~んなに美しくて可憐なのに」
そう不満げに語りながらシャボン玉のような膜を作り出し、それはビビットを包み込んだ。
「ふぅ……驚かせちまって悪かったね。でもあいつの対処はあれが最善なんさね」
「そうそう。硬いし速いし、追いつめられると地面に潜って逃げちゃうの」
「ま、私達が揃ってれば造作も無いただのヘビだけど~」
「ハハ……ただのヘビ……ですか」
「なるほどっす。頑丈なビビットさんが釘付けにして動きを封じて、ベルさんがあっという間に勝負をつけるって事っすね」
「確かに並みの装備や能力じゃ、もっと苦戦する様子しか浮かばないっすね……さすがっす!」
「ふふ、ロングちゃんは素直でいいわね」
「……ねぇヤマトぉ、あなたも私の高貴な魔法に対してお世辞の一つぐらいいいなさいよぉ」
「え、ええ……おかげで霧も晴れましたし、助かりました」
「ふん、つまらない社交辞令ね。もっとこうあるでしょう? 例えば優美な所作で華々しい──」
「──あ、そうっすよ! だったら最初から、ベルさんに霧を晴らしてもらえばよかったんじゃないっすか??」
「うん。けど、多分発散先が問題……なんですよね?」
「ちょっとロングちゃん人の話を……ま、まあいいわ。ヤマトったら、ちゃんと私の事理解してるんじゃない。ふふ」
「ああ、あんたの言う通り。掌握した魔力をそのまま蓄えられる訳じゃない」
「攻撃に使うか防御に回すか。制御が効く間に消耗しちまわないと、暴走してドカンッって事になっちまうからねぇ」
「なるほど……攻撃に使えば音や衝撃で。障壁を張りながら──つまり特段に濃い魔力を纏いながら進んでも、どちらにせよ大きな存在感を放って魔物達に気取られる可能性が高まる……」
「それに掌握するには立ち止まって集中しなきゃいけなの。精神的にも結構疲れるし~」
いつもの軽い雰囲気でそう語っているが、その表情には少しの安堵感と疲労の色が滲んでいる。
(あ……そうなんだ……それなりに負担も大きいんだ……)
ふと心に、すんなりと落着した感覚を覚えた。
いつも超然としていて、どこか子供っぽくも見えるベルが初めて垣間見せた鬼気迫る瞬間。
俺がこれまで不真面目と見損なっていた態度はその実、力を発揮すべき時を的確に見極めていただけに過ぎず、決して楽を選んでいた訳では無かったのだ。
これまで片鱗ですら身が縮まるような凄みは感じていた。
しかし今目の当たりにした真剣な姿は、ベルの能力が持つ危うさと、どこかもの悲しい孤独のような陰影を表しているような気がして、何と浅慮の至りであったのかと、ただただ恥じ入る想いだ。
「……ベル、凄かったです。華麗で素敵でしたよ」
「なっ……! な、何よ急に……」
「あ~……いや、確かに労いの言葉が足りて無かったかなぁ、と」
「むむ……どうしたんすかベルさん? 顔赤いっすよ?」
「は、はあっ⁉ ひ、久しぶりに真面目に働いて、ちょっと疲れただけよっ」
「ああ~! それもそうっすよね! あんな凄い魔法使ったんすから、疲れるのは当然っすね!」
「はははっ。ロングがロングでよかったねぇあんた」
「う、うるさいわよビビット! やっぱりあなたもついでに潰しておけばよかったわ。ふん!」
「ほぅ……あの程度の魔法であたしが潰れるってかい? そうかいそうかい……」
(あ、マズい。この流れは……)
「上等だよ! 魔力の濃いここなら言い訳も無いし丁度いい──!」
「ええ、いいわよ! いっそのこと焼け野原にでも変えてやるわ──!」
いつものじゃれ合いに突入する二人。
見方に変化が訪れた今となってはむしろベルにとって、大切な繋がりを実感出来るひと時なのでは無いかと微笑ましくも想える。
「ヤマトさんヤマトさん。やっぱり魔法って凄いっすね~」
「そうだね。ベルのは特殊過ぎて参考にはならないけど、あれが魔力を行使するってことだもんなぁ」
「街へ帰ったら自分も何か考えてみた方がいいっすかね?」
「うん、可能性を探るのは大事だよね。それに、ロングならなんだって出来る気がする。少なくとも俺はそう信じてるよ」 「ホホーホ(ナカマ)」
「むむ! ヤマトさんが言うならこれは間違いないっす、やる気出てきたっすよ~!」
「ホ? (イク?)」
「はは。やっぱり頼もしいなぁロングは──ん? 雨……?」
少しばかりのクールダウンの談笑に花を咲かせ、次へ思考を切り替えようとした刹那、軽い何かの粒が腕に触れる感触がした。
「む? ホントっすね──あつつッッ‼」
突如ロングが悲鳴を上げ耳を確かめている。
「──えっ、どうしたロング⁉──ってなんだこれ……袖が……!」
感触のあった箇所を確認すると、焦げた臭いがする蒸気のようなものが上がっていて、その根元を辿ると小さな穴が開いていた。
「穴が……酸性雨ってレベルじゃない……! まさか、酸そのものなのか……⁉」 「ホッ⁉」
急ぎリーフルを胸に抱きかかえ背を天に向ける。
「わわッ! どうしましょうヤマトさん!」
「と、とにかく木の下に! その場しのぎにしかならないだろうけど少しでも考える時間を──」
「──落ち着いて二人共。大丈夫よ」
「え……?」
安心を覚えるような声色につられ顔を上げる。
するとベルが直立の姿勢で腕を開き、障壁を展開している様子が目に入った。
「おいおい、酸の雨だって? そんなの聞いた事ないさね」
「えっ? 深域特有の現象じゃないんですか?」
「こんな事私も初めてだわ。どうする? ヤマト」
「そうですね……確実な安全地帯は休憩所です。あそこなら魔石の補充を欠かさなければやり過ごせます」
「仮に進む先で酸を凌げるような場所があったとしても、探し歩くにはベルの負担が大きすぎるし、攻め手が俺とロングだけじゃ心許ない……」
「っすね。時間は惜しいっすけど、一度休憩するチャンスが来たと思ってやり直すっす!」
「戻ります。ベル、戦闘直後でお疲れのところすみませんが、よろしくお願いします」 「ホ? (イク?)」
皆の様子を見上げていたリーフルが肩に戻る。
「ふふ、任せなさい。こ~んなお肌に悪い雨、一滴たりとも通さないわ」
「……ホ~? (テキ?)」
「お? どうしたんだいリーフルちゃん、空なんか見上げて」
(ん? テキ? リーフル……いつもと違う反応だけど──)
リーフルが見上げる先に視線を向ける。
「──は……?? 見間違い……じゃないよな……みんな、あれ。見えますか」
「ん?」 「なんすか?」 「ん~?」
三人が一斉に空を見上げる。
「あ……あれって……」
「こいつぁ参ったね……休憩所に戻るどころの騒ぎじゃなくなっちまったよ」
「ええ、足りないわ。急いで街へ戻るわよ!」
俺達が見上げる先に浮かぶ脅威との邂逅。
これも導きの道程に用意された必然なのだとすれば、神様の描くシナリオに文句の一片をボヤいても罰は当たらないだろう。