ほろろほろろ。
鼻先くすぐる草菷。
こんなに青空、雲とは裏腹な心変わり。
寂れの草原をおちょくる草菷。
なんで青空、高鳴る山も雲隠れ。
徹夜の門番の頭頂に時を忘れた愉快な蟷螂。
不夜の看守の心中に終を忘れた万感の蝋燭。
許しを乞うように口をすぼませ吹く息に、靡いてくれるのは蜘蛛の糸。
逃れを待つように身体を屈ませ抱く影に、添い遂げてくれるのは雲の後。
屈んで怯える幼子を窘める草菷。
秘め事抱えて蹲る迷子を慰める草菷。
合掌ずれて羽ばたけたら、書き割りの都から水彩の走馬灯へひとっ飛び。
窪んだ青空、そぞろの雨雲待ちわびる。
膨れた青空、ほろろに合掌離される。
いい加減、手加減しないで隠れ蓑。
精彩に、清算したい皮算用。
一気呵成には程遠い、のらりくらりの種明かし。
でこぼこの見晴らしに、はらりと垂れる隠れ蓑。
不作の頭を垂れる獲物を握り締め、覚悟を決めて断末に雨を待つ。
言い残したいことに迷いが生じ、片言に甘んずる日常茶飯事の辻褄合わせ。
絶え絶えの蝋燭、目蓋の闇を台無しにするのはほうき星。
見上げる夏の終わりに、手に入れた顛末に期待して。