表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

ほろろほろろ。

作者: 泉末広

鼻先くすぐる草菷。

こんなに青空、雲とは裏腹な心変わり。

寂れの草原をおちょくる草菷。

なんで青空、高鳴る山も雲隠れ。

徹夜の門番の頭頂に時を忘れた愉快な蟷螂。

不夜の看守の心中に終を忘れた万感の蝋燭。

許しを乞うように口をすぼませ吹く息に、靡いてくれるのは蜘蛛の糸。

逃れを待つように身体を屈ませ抱く影に、添い遂げてくれるのは雲の後。

屈んで怯える幼子を窘める草菷。

秘め事抱えて蹲る迷子を慰める草菷。

合掌ずれて羽ばたけたら、書き割りの都から水彩の走馬灯へひとっ飛び。

窪んだ青空、そぞろの雨雲待ちわびる。

膨れた青空、ほろろに合掌離される。

いい加減、手加減しないで隠れ蓑。

精彩に、清算したい皮算用。

一気呵成には程遠い、のらりくらりの種明かし。

でこぼこの見晴らしに、はらりと垂れる隠れ蓑。

不作の頭を垂れる獲物を握り締め、覚悟を決めて断末に雨を待つ。

言い残したいことに迷いが生じ、片言に甘んずる日常茶飯事の辻褄合わせ。

絶え絶えの蝋燭、目蓋の闇を台無しにするのはほうき星。

見上げる夏の終わりに、手に入れた顛末に期待して。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ