☞【連載1周年記念】奥の攻防、その1
本日で連載開始から1年が経ちました!イエー!
まだ本編百話越してない!ウェーイ!(狂気)
という事で連載一周年を記念して書いた閑話です。夜のテンションで書いたせいかただストロー達がイチャイチャするだけの話になってしまいました。
ですが、次話からは第二部のメインへと入っていくのでコメ要素を補う意味で楽しんで読んで頂ければ幸いです。
また、今年は4月からの第二部の更新再開でしたが、ブクマして下さる方々には今回も重ねて御礼申し上げます。<(_ _)>
大変、弱筆者の励みになっております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
佐の輔でした。(笑)
◤ストロー◢
俺はストロー。まあ、この世界での名だ。前の世界の名前は…もう思い出せない。
まあ、まだこの世界きてから1年経ってないんだよなあ。
しかも、精霊。精霊なんだよね、あの。
さらに、もうお嫁さんが3人もいる。何となく前世の記憶って鮮明なものからじゃないが…物凄くハッピー野郎な気がする。
ハッピー…ハッピーなんだが…。まあ、嫁さんの内の二人はもうお腹に俺との子供がいて目立つくらい大きくなってる。
だが、この世界の女性…まあ、三人とも亜人と獣人なんだけどな。それが関係あるかもしれんが、やたらとその…性にフィジカルが強い。強過ぎる…。
俺が精霊じゃなかったら恐らくとっくのとうに男の哀れな夢、腹上死していたかもしれん。
特に二人が妊娠する前とかは…二人の内のウリイってケンタウルス族の俺の嫁さんの攻めが凄くてさ。よく逃げ出してマリアードに泣きついたっけなあ…。
子供ができてから少しの間、俺は暫しの平穏を満喫できた。夜も可愛いスキンシップくらいで済んだしなあ。もうひとりのミノタウロス族のダムダはまた凄い身体をしてるんだが、元から普通…いや、ウリイのせいで麻痺してるのかもしれん。
けどテクが凄い。俺に会うまで本当に生娘だったの? と未だに疑問に思うことすらままある。恐らく俺の支族となったあの日、あの真っ黒女神から色々と吹き込まれたせいだろう。ダムダのそーいう面での才能もまたあったんだろうが…。
…だが、ここに3人目の嫁であるスナネコ族のリレミッタが加わる。リレミッタはまだ俺と支族…つまり男女の関係を結んでから日が浅い。浅いんだが…酷い。悪いがそれしか言葉が出てこない。たまにエスカレートし過ぎて俺を物理的に捕食しようとしてくる。というか普通に攻撃してくるので、愛し合ってるんだか、戦ってるんだか区別がつかない時がある。
…まあ、それも獣人の特性で…いわゆる発情期のような時期が節(一か月)に2度来る。それ以外はむしろ他の2人よりも俺に優しい。妊娠欲は常時あるらしいが、ただ喋って触れ合うだけで終わる日も割とある。あと、外で俺の護衛として共に行動することが多くなったが、ウリイのように隙さえあれば襲い掛かってもこない。ホント…アレさえなければなあ~単に美人の獣人なんだがなあ~。
そして、マリアードが聖堂(この世界の病院でもある)でのいつもの検診でウリイとダムダに。
『両細君とも、大分安定してきましたようですし…コホン。本日辺りからはストロー様との夜の営みを再開されても問題ないかと…まあ、大事な御身体と御子ですから無理はなさらぬよう。ストロー様もだいぶ寂しい思いをされていたようですしね?』
などとマリアードが余計な事を言ったせいで俺の短い平穏は終わった。
さて、別に俺の惚気を聞いて欲しかったわけじゃない。
男なら解るとは思うが、女が集まれば姦しい。つまり、俺達の生活の場である俺のスキルで作られた俺と俺の家族しか出入りできないPゾーン。以後は奥と呼ぶが、その奥で最近その三人が一緒になることが多いんだな。まあ、ぶっちゃけ俺の宿屋でメレン達を雇ってから余裕が出来たから本来なら俺と嫁さんの誰かがセットで休憩を取るところを4人でまとめて休憩を取る流れになる事が増えたんだ。まあ、メレンの奴がフロントでニヤニヤしてるから暗に仲良くしろよ。と、言いいたいのだろう。俺はもう十二分に仲良くされているんだが? 俺にどうにかなって欲しいのかな?
最初は3人掛かりで襲われるのではと戦々恐々としていた俺だったが、意外な事にそんな事はなかった。むしろ、ウリイ達はリビングの先にある訓練場…と言ってもオリンピック会場くらい馬鹿広い空間に訓練用の器具や模造武器。アスレチックな障害やプールまである謎空間だ。割と俺もそこで運動がてらプールやアスレチックで遊んでるがな。だが、ウリイ達はガチで殺し合いまがいの訓練に励んでいるようだが。
その訓練場で3人はガールズトークにしては圧が強い話し合いをしているようだ。どうやら、俺にあまり聞かせたくない内容らしいが、…何故かその日は訓練場と続くドアが半開きになっており、ウリイ達の話声が聞こえてきた。俺は大人しくリビングでテレビを視る振りをして全神経をドアの先へと集中した。
◆
「それじゃどうするのさ?」
「どうするって…なんだリャ」
「旦那様の呼び方だよぅ」
ウリイとダムダは水着。リレミッタは全裸でプールの縁に並んで腰かけていた。
「…アタイはダーリンで良いニャ」
「それを合わせようって話だっただろ? だったらボクは御主人様が良いっ!」
「でもぉ~それは旦那様が嫌がるじゃない? 子供ももう生まれるし…父、ぱ、パパって呼ぶのはぁどうかなってぇ…」
「「……パパ」」
「ダメぇ?」
「ストローはアタイの父親じゃないニャア。アタイの男だリャ」
「ボクのパパは“一騎当千”のデオ・ブラドだよ?」
「だからぁ~そういう意味じゃあ~」
ダムダは実はコッソリとストローと呼び名について相談しており、ストローの知る一般家庭での大黒柱の呼び方は? と、ダムダに聞かれて口に出したのがその呼称だった。ダムダは何とかストローを喜ばせようとウリイ達に持ちかけていたのだ。
「でも、旦那様はそう呼ぶんだってぇ…」
「う~ん。そう呼ばれて喜んでくれるなら…ボクもそうするかな」
「パパ…慣れないニャ」
どうやら他愛のない話をしていたようだが、ここで急にウリイからダムダとリレミッタに鋭い視線が向けられる。
「…ところでさあ、今回は先ずボクが一番で良いよね?」
「…………」
「……嫌だニャ」
「え。何でさ!? ボクとダムダは司祭様の許しを貰ってからまだ両手で数えられるだけしか愛して貰ってないよ?」
「ウリイは、確実に両手じゃもう足りないよぅ?(ジト目) 俺ぃの倍は相手して貰ってるからねぇ?」
「お前は乱暴だリャ。ストローが可哀相になるくらいグッタリしてるニャ~? どうせアタイの相手して貰うならそんな状態のストローよりも元気な方が良いに決まっているだニャア」
「右に同じぃ」
「グギギギ…なんだいなんだい! 二人してさ?」
ウリイは堪らずにザバッとプールから4本の脚を出して立ち上がった。
「ボクが御主人様にどんな酷い事をしたっていうんだい!」
「いやぁ…前から旦那様や司祭様からも加減しろって言われてたしぃ」
「あ。そう言えば何日か前にこの訓練場でストローと一緒に裸になって、背中にストローを乗せたり抱き合いながら汗だくで走り回ってたリャ。……変態なのかニャ?」
「なあっ!? その時は御主人様とだけで休憩だったはず!なんでリレーが知ってるのさ!?」
「…アタイも見たかったわけじゃなかったニャア。ただちょっと喉が渇いて飲み物を取りに行ったらドアの隙間からダーリンの絶叫が聞こえてきたからだリャ」
「んんんっ~!(赤面)」
「今度からはちゃんとドアを閉めるんだニャ…」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
ここでウリイがリレミッタがリビングへと続くドアに視線をやるのを意図せず妨害しなければ、この話の続きをストローが知る事はなっかただろう。
「そういうリレーこそ一番ヤバイじゃん!? ボクとダムダもまだ一度しか見てないけど…アレに比べたらボクなんて全然じゃないか!」
「んニャ? ……獣人の女は月が昇ると自分の衝動を抑えられないもんなんだリャ。そんなアタイを受け入れてくれるストローはそれだけ偉大な雄というこだけの話だリャ」
「なんかぁ良いこと言ったみたいな感じですけどぉ~アレはちょっとぉ~?」
「止めようとしたボク達は本気で殺されるかと思ったしね…割と本気で…」
リレミッタは獣人でもトップクラスの潜在能力を持っている。それ故に性衝動の暴走も他に女獣人と比べて遥かに凄まじいものだった。
リレミッタが雌になった時、ストローはこの世界で最も哀れな雄となる。否、捕食対象とすらなる。
先ず、一連の流れとしてはストローはリレミッタに捕まり服を剥ぎ取られて数時間ほど暴力的な性を振るわれる。並の獣人の男であれば数分で命を失いかねない。その後、楽しい狩りの時間が始まる。わざと逃がされたストローをあの手この手でリレミッタが捕まえその場でアレされる。それをリレミッタの衝動が治まるまで繰り返されるのだ。そして、エスカレートすると殴り合いは勿論、リレミッタは噛みつきすらする。ちなみに獣人の顎は人族のそれと比べものにならないほど強い。
「あんなのただ御主人様をボコボコにしてるだけじゃないか!……ボクもちょっと興奮しちゃったけど」
「ウリイぃ!?」
「…………」
ジャポンとプールへと身を沈め、仰向けに浮かび上がったリレミッタは何故か恍惚の表情をしていた。
「ストローは最高の雄だニャ…!誰よりも強いのにわざとアタイの嗜虐心を煽る為に無力な人間なんかの振りをしてくれてるんだニャア。それに全力のアタイに対してちゃんと手加減もしてくれる。3回に1回は反撃してアタイの上になったくれて…組み伏せられる雌の悦びまで与えて愛してくれるんだニャ。……そんな男はこのルディアにはダーリン以外、いやしないリャ」
「「…………(ゴクリ)」」」
何故かその妖艶なリレミッタにあてられたのかウリイとダムダは思わず生唾を呑み込んでしまうのだった。
「…というわけだリャから、順番を譲る気はニャイ。けど、そんな事を気にしない良い方法があるんだニャ」
その状態から極限の身体能力を以ってして水面を蹴ってプールサイドへと濡れた体でリレミッタが美しく着地する。
「どんな?」
「簡単だリャ。今からリビングに居るダーリンに3人まとめて相手してもらうだニャア」
「えっ」
「流石に3人はぁ旦那様も大変じゃあ~?」
「何を言うニャ。ダーリンは精霊様だリャ!女の3人くらい余裕だニャア!」
「……確かに」
「えー…ウリイまでぇ」
ウリイとリレミッタがガッチリと握手を交わす。
「それにみんな仲良くって御主人様はいつも言ってるじゃないか。それに皆一緒なら久し振りにダムダのテクニックを盗めるしね?」
「うぐっ」
「なんリャ? ダムダ、そんな特技があったのかニャ? 情事はまだウリイしか見てないから知らんかったニャ~」
「あ、やっぱりリレーも興味ある?」
「具体的にはどんな事をやるんだリャ」
「(モジモジ)…え~とぉ、俺ぃがジア様から教わったのはぁ~…まず口で…軽く××を×××して。それから次に××を優しく…」
「フギャ!? そんなことまでやるのかリャっ! ウリイ以上の変態だリャ!?」
「へぁ!? 流石の俺ぃでもウリイと一緒にされるのは嫌だぁ!」
「おいおい…ちょっとボクと久々に本気で話し合おうじゃないか~ダムダ~?」
女達はやはり姦しかった。
◆
「やべえよやべえよ…!」
俺は自分の体の震えを抑えられずに手に持ったリモコンがカタカタと震えていた。
「三人相手とか…ハーレムとか…男の夢なのは御伽噺の世界だ!真実はもっと残酷なのだあっ!」
俺は我慢できずにリモコンを放りに投げる。
「…あ! そうだ。近くのパン祭りの詳細をマリアードや長老達ともうちょい擦り合わせた方がいいな!うん!いいよなあっ!(大声)…そうと決まればっ」
ソファから立ち上がろうとした俺はガッシリと背後から伸びた3本の腕で抑えられてしまった。
「アレ…ボク達を置いて、どこかに行こうとしてた?」
「ひゅ…ま、まさかそんな…じゃなかった!うん。そうね!ちょっと春の祭りの件で外に…?」
ウリイが背後から艶めかしく脚の一本を俺の股へと差し入れる。
「旦那様ぁ…(桃色吐息)」
「だ、ダムダぁ…」
俺の腕がムニュっと柔らかいものに包まれしまった。
「逃がさないニャア」
「許して下さい。お願いします。何でもしますから」
俺の首筋にリレーの尾がスルリと這ってきてゾクゾクする。
「「…何でもするっていった?(ニャア?)」」
「あ」
失言だった。多分俺は死なないとは思うけど、先に言っておきます。さようなら。
「ちょっと今日はお願いあるんだぁ~♪」
「きっと気持ちいいニャア~♪」
「付き合ってくれますかぁ?」
俺はゆっくりと頭上を見上げる。
そこには自慢の嫁さん3人の姿の艶姿がある。リレミッタは兎も角、ウリイとダムダ。水着何処に脱いで来た?
「「ね? パ~パぁ(ニャ)」」