綺麗な花、以上
前の街から2日ほど歩くと、次の街が見えてきた。
ハルマノティア、美しい花が咲き誇る草原の中にあるその街は、特産品の美しい花が有名で一眼見たかった。
花の良い香りに包まれながら街の門を目指す
良い気分だ
「ブレットさん‼︎すっごい花咲いてますよ‼︎すごいですね!」
この喧しさがなければの話だが
私に救われたらしいこの少年は、何故か私の後ろをついてくる
「君なぁ、もう少しマシな感想は無いのか?」
「え〜、人の感想にケチつけないで下さいよ」
「大体なんで私についてくるんだ、鬱陶しいったらありゃしない、少しは静かになってはくれないかね?」
「無理です!」
清々しいほどの返事に呆れ返り思わずため息をついてしまう
「それよりもブレットさん、なんでハルマノティアに?花に興味がお有りなのですか?」
「あ、あぁ、少し見てみたくてね、ここの花は美しいと評判なんだよ」
「ヘェ〜、花に興味があるとは意外です、好きなんですか?花」
「別に特別好きなわけじゃないが、綺麗なものは見てみたくなるだろう?」
そんなこんなあり街に入るとさすが花の街
至る所に花壇と花束が飾ってありなにかの祭り事でも開くのかと言わんばかりのものだった
「コレは凄いですねブレットさん、そこかしこにお花が飾ってありますよ!綺麗ですね〜」
「そうでしょ?やっぱりこの街のお花はどこにも負けないくらい綺麗なの!」
後ろから聞き覚えのない女性の声
「貴方は?」
振り返るとそこには桜色の髪の女性が一人
「私はこの街にある花屋の一つの店主、名前はフララ!よかったらうちの花屋で花買わない?」
花屋の店主か、この女性看板娘も兼ねてるらしい
「そうですか、しかし私は旅の者で花を買っても仕方が」
「わかりました‼︎行ってみましょうよブレットさん!」
「ついてきて、こっちよ」
「な、何を勝手に」
走り出す二人を見て慌てて追いかける
街の広場を抜けて少し行くとこじんまりとした花屋があった
「ここが私のお店よ!と言ってもご覧の通りちっちゃいんだけどね」
「へぇ〜ここがフララさんのお店ですか、
あれ?この花はなんていうのですか?」
「それはね、コスモスよ、綺麗でしょ?」
「コスモスですか!話には聞いたことありますがモノホンは初めてです、感激!」
「それはよかったわ、他にも綺麗なお花はいっぱいあるから見ていってね?」
「はい!」
それから少年はフララさんの店の花を見て周り気に入った花を集めて花束にして買っていた
「毎度あり!またここに来ることがあれば割引してあげるからまたきてね!」
「やったぁ〜こんな綺麗なお花、旅してたってめったに手に入らないと思うし良い買い物した〜」
「それ自分用か?」
「ええもちろん!」
「君、それだけの花どこに持っておくんだ?」
「え?…アハハ、やだなぁブレットさん、仮にも命の恩人である貴方に贈るために買ったんですよ!さっきのは冗談、アハハ」
「その花全部私に押し付ける気か?全く君と言う人間は、仮にも恩人なんだろう?私は、その恩人の私に押し付けるなんて、全く恩知らずなやつだな」
こんなに多い花、バックにも入らないしいつか枯れた時に悲しいから欲しくはなかったのだが、まあテントにでも飾っとくか
「そういえば聞いていなかったが君の名前はなんだい?」
「僕の名前ですか?僕はサクラ、サクラオータムです。」
「そうかサクラか」
「そうです!何か思い出しましたか?」
「いや全く、これっぽっちも」
「そうですか…」
命を救うほどの事をしたんだから何かしら少しは思い出せると思ったんだが、それほどこのサクラという少年の事は印象になかったか名前を聞いてないかのどちらかだろうな
「あとずっと気になってるんですけど私の性別なんだと思ってます?」
「?男だろう、少し中性的な見た目だが一人で旅人をやっているし一人称僕だし」
「はぁ〜、これだからブレットさんはもう
僕は女ですぅ!この見目麗しいご尊顔をみて男だなんてよく言えたものですね!まったく。」
「ええええええええええええ」
つまりこのサクラは無防備にもあんな暴漢の出るかもしれないところでテントも使わずに野宿していたってのか?
ここ最近で一番驚いたかもしれない…
すみません、今回の話、3話目ということでオーソドックスな話を書こうとしたのですが結果として出来上がったのは平凡とも呼べない物でして
私にオーソドックスな物を書かせると変なものしか出来ないので次からは私の思い付いた物を書きたいと思います。