六話 不良襲来
昼過ぎ、レイルが何かローブと干し肉を買ってた。そして今は多分四時頃。髪の色が茶色になってきたのでレイルの部屋に行く。レイルはこちらが動き始めたことに気づき、さっと準備を終え、私が部屋に着いた頃にはほぼ用意が終わっていた。まぁ荷物自体ほぼ無いからだけどね。私の荷物は無いしレイルは財布とナイフが数本、あとは乾いたナニカと干し肉と塩、水筒くらいしか持ち物がない。あの謎の青いナニカはなんなんだろう?
「あ、悪いけどちょっとこれ着てね。」
「あ、うんわかった。制服の上からでいい?」
「外から見えなければ大丈夫だよ。」
ローブを着てみると、ちょっとだけ大きかったが、まぁ許容範囲内だ。
「それで今から出発するってことで良いの?髪が茶色っぽくなってきたから来たけど。」
「出発するよ。あとこれからは夜明けに寝て今くらいの時間になったら起きる昼夜逆転の生活になると思う。」
昼夜逆転か~長期休暇の度になっちゃってたからまぁなんとかなるかな。
二人は宿をチェックアウトして町から出る。
「それとね…今からちょっと犯罪行為をするよ。」
レイルは少し複雑そうな顔をうかべながらそう言った。
「なんで犯罪するの?」
「君が王城から逃げ出したから見つけたら捕まえるようにって話を大きい町とかに連絡されたら面倒だから。まぁ国境の方はこっそり抜けるから別に問題ないけどね。多分伝令に馬に乗った兵士が送られてくるだろうからそこを捕まえて諸々奪う。どうせ兵士自体は内容は知らないからあとは適当に気絶させとけば時間が稼げる。」
あ~私が原因でしたか。
「でももしかしたらもうここに伝令の人着いてるかもよ?」
「多分問題ない。夜暗いときに兵士出さないだろうし。早くても朝に出るだろうからね。あと馬使っても森がある分遠回りに街道があるからこっちがわにくるのは時間がかかるからね。」
「クラスメイトが来たらどうするの?」
「逆に来るの?召喚者がそんな簡単に送り出されないでしょ。」
まぁそうか。でも正直不安だな。
「とりあえずこのまま町から見えないくらいまで歩こうか。そしたら座って待っていようか。それで兵士っぽい人が来たらナイフ投げるから。」
「違う人だったらどうするの?」
なぜかレイルがこちらを生暖かい目で見たと思ったら無言でうなずいた。え?え?
とりあえずこの空気を変えるために適当な話題を振って雑談していると、遠くに馬が走っているのが見えた。乗っているのは私たちみたいなローブではなく、軽めの鎧っぽいものを着ている人が二人だ。
私たちは立ち上がると、自然な感じを装い始めた。そんな中、近づいてきた馬に乗っている人を良く見ると、後ろに乗っている人にとても見覚えがあった。
「ん?え?」
「どうした?って黒髪!」
私を犯そうと話していた奴らで、火の魔法を使える拳闘士という珍しい組み合わせの不良、不破 鎧。追いかけてきてた奴らの一人だ。
「私を犯そうとしてた奴だ。」
「今は夕暮れ時、まぁ力が出せないわけではないけどどうする?戦うか、逃げるか。君が決めて。」
私は、