三話 パーティー結成
「やっと、着いた。」
長かった…この人はそこまで遠くないって言ってたのにめちゃくちゃ歩いた。体感で城から森まで走るくらいの時間歩いた。
「お疲れさま。もうお昼だしギルドに寄ったらご飯食べようか。」
「ぎるど?」
つい聞いてしまった。でもあれだよね?定番の奴だよね。あ、でもなんかもうこの人にもう呆れられてる気がする。
「僕は冒険者ギルドに所属しているんだよ。と言ってもまだ新米だけどね。」
「そうなんですか。」
「じゃあちょっと待っててね。皮と核を売ってくるから。」
彼は何故か私をおいていこうとする。
「ついていったらまずいんですか?」
彼は何故か苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「なんというか…君みたいな人はだいたい、て言うかほぼ必ずナンパされるんだよ。」
ナンパか…正直ナンパ程度なら無視すれば良いと思うんだけどな。
「不満そうにしてるけどね、ここはほぼ無法地帯だからね。大体の場合そのまま強制的に連れていかれちゃうんだよ。」
夜ならなんとかなるんだけどね。と彼は苦笑いしながら言った。
「夜なら?まぁわかりました。とりあえず待ってます。」
そう言うと彼は満足したのか、ギルドのなかに入っていった。
「はぁ~。なんでこんなことになっちゃったんだろうな~。」
今もずっと彼の見ているものがわかってしまう。なるほど確かにゴロツキみたいな奴しか見当たらない。入らないほうが良いと言うのは本当のようだ。
おそらく彼も私の視界が見えているのだろう。
っと、少しトイレに行きたくなってきた。彼が来たらトイレの場所を教えてもら――――
「あ!!あ、ごめんなさい。ちょっと忘れてたこと思い出したんです。」
つい声を出してしまったがこれは私は悪くないと思う。なぜなら、もしも彼も私と視界を共有しているなら、トイレ中も、体を洗っているときも見えてしまうのだ。
「終わった…さよなら私のプライバシー。」
可及的速やかに対策を考えるべきだろう。
と考えていると、どうやら彼の換金が終わったようだ。彼が出てくるのにあわせて入り口に近づく。
「それじゃあ行きましょうか。」
扉を開けた瞬間に目の前にいたにもかかわらず、全く驚かずに促してきたので、やはり彼も見えているのだろう。
二人で店に入り適当におすすめを注文してもらったところで、二人はお互いを見つめ合う。
「ねぇ。あなたもみえてるよね?」
彼は一切動揺しなかった。むしろため息をついた。
「はぁ~。やっぱりそうだよね。どうしてこうなったのかはわからないけど。」
「やっぱりそうだよね~。どうしてこうなったのかとか全くわからないもん。」
お互いに見えることが確定して私もため息をつく。せめて目をつぶったら相手のほうも見えなくなったら良かったのに。
「まぁとりあえず確定なのはこの目が原因だってことだけだろうね。」
「やっぱりそうだよね~。」
色々考えてみたけどまぁこの魔眼が原因なんだろう。効果が視界の共有というのはどうなんだろう。とは思うけど。
「できるかわかりませんが、とりあえず解決するまで一緒に行動しませんか?」
そう問われた私は短く、わかりました。と答え、運ばれてきた料理を食べ始めた。
設定としては叶の足の速さは、夜だけ男子より少し遅いくらいの速さです。でも地球にいたら全員ギネス更新するくらいは速いです。城の塀を乗り越えたときに見つかったので、その分の距離でなんとか逃げきれた感じです。
あと森まで五、六時間くらいまちで隠れたり鬼ごっこしてます。魔法で隠れるのもクラスメイト相手だと真夜中じゃないとちょっと見えにくいくらいです。