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二話 出会い

レイル視点



森に入り、僕は魔物の討伐を始めた。魔物といっても街道に出てくる魔物より少し強い程度のものしか森の外側ではでないので、そこまで危険ではない。今も名前は知らないが、猪みたいな魔物を倒し、解体したところだ。あ、女性が歩いてる。


「あ、どうもこんにちは。」


目の前の女性に声をかける。


「え?」


ん?何でそんな反応されるんだ?


「え?どうかしたんですか?」


「な、何で見えてるの?この人。あれ?ほぼ朝だけどまだ魔物にはバレてなかったしバレないと思うんだけど?(小声)」


なにやらぶつぶつ呟いている。大丈夫かな?この人。そう思いながら改めて彼女を観察する。


彼女の見た目は、少し低い身長で、可愛らしい顔をしていた。しかし、僕にとってはそのようなことはもはやどうでも良かった。なぜならその女性の目は僕と同じ金色をしていたからだ。


「「同じ色?」だと…」


ハモった。それにしてもこの人は一体何者なんだ?僕以外で金色の目の人は初めて見たし、その着ている服も初めて見た。それに森で何をしていたのだろう?武器を何も持たずに魔物がいる森に入っている点や、服や髪の綺麗さからして貴族やそれに準ずるものであると推測できるが、それなのに一人でいるという点。それに特徴的な黒髪。それによって1つの仮説が浮かび上がった。


「ど、どうかしましたか?」


じろじろ見すぎて彼女に不審に思われてしまったのだろうか。しかしじろじろ見ていたことの言い訳が全く思い付かない。なのでここは少しだけぼかして問うことにした。


「君は冒険者、ではなさそうだよね。だからどうしてこんなところにいるのかなって思ったんだよ。」


僕の予想ではこの人は、お伽噺のようだが、転生か転移のどちらかの方法でこの世界にやってきた異世界人だということだ。

転移してきた人が何か大きな事を成し遂げる話はいくつかある。その中で少なくとも二つは本物の話だ。一つ目は英雄王の、二つ目は天才発明家の話だ。どちらも黒髪だったとされているし、言葉も少しおかしいと言われている。この世界には黒髪はほぼいない。異世界から来た人間はほとんどが王族に取り込まれているためだ。

よって黒髪は王族以外は基本的にいない。それに加え、口の動きも確かにおかしいのだ。良く見るとわかるのだが、発している言葉と口の動きが一致していない。これらの理由から異世界の人間の可能性がもっとも高いのだ。


そんなことを考えていると、彼女は、「旅をしているんです。」と答えた。

嘘だと思う。旅をしているなら何も荷物を持っていないのはおかしいからだ。

どうしたものかと考えていると、いきなり奇妙な感覚に襲われた。


「あ、あの、特に具体的な目的はないですけど、この国から出て行きたいんです。」


「そ、そうなんだ。ま、まぁとりあえず町に行こうか。ここでずっと話してるのも危ないし。」


「そうですね、わかりました。」


とりあえずこの子には聞きたいことがある。本当は何を考えているのか。それと…


「とりあえず僕が泊まってる宿屋にでも行こうか。」


僕はそう言うと町へと彼女を先導する。

今は一旦考えるのをやめよう。なぜ先ほどまで僕の顔が、僕の後ろの風景が見えたのか。そして今は何故僕の背中も見えるのかを。





叶視点


「もうそろそろ夜が明けちゃうな。」


ひたすらまっすぐに歩き続け、もう足がいたい。

体が強化されていたからこれまでの悪路を普通に進めていたが、夜が明けていくとともに力が抜けていき、進むスピードが遅くなっていく。


「て言うかいきなり何なのあいつら。私はそんな簡単に体を許すつもりはないって言うのに。」


正直私はただの一般人だ。力が強くなったとしても、やはりできるだけ魔物とは戦いたくない。森の外側の魔物とは戦ったことはあり、一応黄昏時であればまぁ普通に倒せるということはわかっているが、やはり極力戦いたくない小心者だ。実際元の世界では自分はただの陰キャだったのにいきなり周りの女子がかわいいだの何だの言ってきただけで、正直一人でいたかった。


「…一応まだ魔物には気づかれないみたいだね。」


おそらくあと一時間くらいで四時ぐらいになるだろう。そしたら多分バレる。


ちょっと無理してでも森から出ておくべきかな。ってあ、男の人だ、魔物倒してる。お~解体してる。…ちょっとグロいな。


「あ、どうもこんにちは。」


「え?」


なんでみえるの?


「え?どうかしたんですか?」


「な、何で見えてるの?この人。あれ?ほぼ朝だけどまだ魔物にはバレてなかったしバレないと思うんだけど?(小声)」



っと、つい口に出ちゃった。って、え?なんで?


「「同じ色?」だと…」


ハモった。いやそれはどうでもよくて、目の前の男性、私より身長が少し高く、金髪。顔は優しげなイケメンだ。しかし、そんなことよりもだ、何故か目の色がまったくおなじなのだ。少なくともこれまであった人に金色の目の人はいなかったはずだ。そんなことを考えていると、男性がこちらをじろじろ見てきた



「ど、どうかしましたか?」


「君は冒険者、ではなさそうだよね。だからどうしてこんなところにいるのかなって思ったんだよ。」


あ、ヤバイ質問が来た。正直に答えるにしても転移させられて一緒にきたやつに犯されそうだから逃げてきた。って言うのもねぇ。絶対に不味いでしょ。ま、まぁとりあえずごまかしますか。


「旅をしているんです。」


あ、ちょっと怪しんでる。証拠無いけどなんかそんな顔してるもん。ってなにこの感覚?気持ち悪っ。って話続けなきゃ。


「あ、あの、特に具体的な目的はないですけど、この国から出て行きたいんです。」


とりあえず本当の事もちょっと混ぜて言っておこう。二度とあいつらと会いたくないから他の国いきたい。


「そ、そうなんだ。ま、まぁとりあえず町に行こうか。ここでずっと話してるのも危ないし。」


なんかきまずそう?



「そうですね、わかりました。」


「とりあえず僕が泊まってる宿屋にでも行こうか。」


いきなり男の人が泊まってるとこって…まぁそのときは叫べばなんとかなるか。町のなかだし。


それにしてもこれは一体なんなんだろう。

さっきは何で自分が見えて、今も自分と相手の二つの視点を同時に見れるんだろう。

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