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池に落ちたら彼女ができた

作者: 29の日

はじめて書いた物語です。

駄文ですが思いついたので思わず書いてしまいました。

僕、尾野譲には幼なじみの女の子がいる。

彼女の名前は小野晴香。大きな身長、大きな目、大きな胸とあらゆる部分が大きい女の子だ。僕たちは名字の読みが同じこともあって、小さい頃から仲が良い。中学を卒業した今でも肩を組んだり、じゃれあったりするほどだ。だが、決して恋人同士ではない。僕は彼女に想いを寄せているが、彼女はサッカー部のキャプテンが気になるようだ。


僕たちは今年から同じ高校に進学した。僕らの学校では入学式の次の週に近くの森林公園でオリエンテーションが行われる。班ごとに分かれてチェックポイントを通過するスタンプラリーのようなものだ。僕と彼女は別の班だったが、通るルートは同じなので時々すれ違ってはじゃれあっていた。


「譲くんと晴香ちゃんって付き合ってるの?」

「ただの幼なじみだよ。」

「それにしちゃ仲良すぎない?」

「そうかなぁ?僕たちは昔からこんな感じだし。」

「付き合っちゃえばいいのにー」


そう言って、班の男子たちがからかってくる。

僕の気も知らないで。


次々とチェックポイントを通過して、池の側にゴールが見える急いで歩いていると靴紐がほどけていること気がついた。みんなを先に行かせて靴紐を結んでいると、後ろから晴香たちの班が追いついてきた。


「おっす譲。何してるのー?」

「見ての通り靴紐がほどけたから結んでるんだよ。」


晴香も班のみんなを先に行かせて立ち止まる。靴紐を結び終えて立ち上がろうとすると、背中に晴香が乗ってきた。


「つかれたー 譲、ゴールまでおんぶしてって。」

「僕も疲れてるんだぞ。もう少しなんだから歩けよ。」

「えっー いいじゃーん」


おんぶするのはいいのだが大きな胸が背中に当たってヤバいんだよ。

僕はそう思い晴香を下ろそうとしたが、疲れのせいかバランスを崩してしまう。


「あっ!危ない!」


そう叫んだと同時に晴香が池に落ちてしまった。ヤバイ怒られる。そう思い落ちた晴香を引き上げようとすると、池の底から何かが浮かんできた。


「何だ…人間?」


浮かんできたのは綺麗な女の人だった。その人は僕を見つけると微笑みながらこう言った。


「私はこの池の女神だ。」

「…はぁ?」


唖然としている僕を気にせず女神は聞いてきた。


「お前が落としたのは金の小野?それとも銀の小野?」


返答に困った僕を無視して女神は繰り返す。


「お前が落としたのは金の小野?それとも銀の小野?」


これって童話の…あれだよね?


「い、いや僕が落としたのは普通の小野さんです。」

「お前は正直者だ。お前にはこの金の小野と銀の小野を授けよう。」


突然、女神の両手に金色に光った晴香と銀色に光った晴香が現れた。金と銀の晴香を僕の両脇に立たせると女神は池の底に去っていく。突然のことに立ち尽くしていると、池の中から今度は晴香が自力で上がってきた。


「ちょっと!譲!!池に落とすなんてあんまり…じゃない?」


晴香が僕の両脇に立つ晴香に気付く。


「えっ!えっ!!えぇーーーーーっっっ!!!」


驚く晴香に僕は事情を話した。


「はぁ?何それ!バカみたい!!」

「…うん。だけど本当の話。」

「そうね…でも、私が3人もいたら気持ち悪いよね?」

「晴香は気持ち悪くないけど、同じ顔が3つあるとさすがにね…」


さて、どうしよう。

僕と晴香が金の晴香と銀の晴香について悩んでいると横から声がする。


「ねえ譲。私と一緒に行こうよ。」


金の晴香がそう言う。


「私と一緒の方がいいよね?」


銀の晴香もそう言う。

このやり取りを切っ掛けに金の晴香と銀の晴香の口喧嘩が始まった。僕は金の晴香と銀の晴香の喧嘩をしばらく見ていたが、収集がつかなくなるので喧嘩を止めようと思い口を挟もうとする。すると晴香が叫んだ。


「ちょっと!いいかげんにして!!

 譲は私のものなんだから!!誰にも渡さないんだから!!!」


晴香が顔を真っ赤にしてそう叫ぶと、金の晴香と銀の晴香は喧嘩をやめて晴香を睨んだ。

僕は驚いて立ち尽くしていると晴香は僕の目の前にきてこう言った。


「私、小さい時からずっと譲が好きだったの。」

「えぇ?だってサッカー部のキャプテンがって…」

「あれは嘘だよ。ヤキモチ焼いてくれるかなって思って…」

「そうなんだ…

 ぼ、僕もずっと晴香が好きだった。良かったら付き合ってください!」

「はい、喜んで。」


そう言うと晴香は僕に抱きついてきた。

その途端、僕は足を滑らせて池に落ちてしまった。池は意外と深くなかなか浮上できそうにない。必死で泳いでやっとの思いで池からあがると、晴香を中心にして、右側には金の晴香と金の僕、左側には銀の晴香と銀の僕がそれぞれ仲良く手を綱いていたのだった。


「…これって…もしかして」

「譲が落ちてすぐに女神様が現れて聞かれたの。

 お前が落としたのは金の尾野?それとも銀の尾野?って。」

「やっぱり…」


僕と晴香も手を繋ぎ両脇を見ると、金のカップルも銀のカップルも幸せそうに笑っている。すると再び女神が現れて、金の僕と晴香、銀の僕と晴香を連れて行ってしまった。

僕はその時の女神の言葉を忘れることは無いだろう。




「ごめんなさい。日本に来たばかりだから漢字間違えちゃった。」


文章を書くって難しいですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです。泉の女神のパロディは昔からありますが、どれにも負けないほど面白いです。最後のオチも。
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