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魔剣使いと七人の花嫁  作者: 獅猫
3/3

3-クエストへ-

まったりゆっくり投稿三回目です。

俺たちは王宮を出た後、俺とルミナは俺の宿泊している宿屋に向かった。ルミナは王族なので大量の金貨を持っていた。何か月この宿にいても大丈夫そうな程だ。


ルミナとは隣の部屋を借りてお互いの部屋に戻った。俺はそのままベッドに直行してダイブする。


もう今日は色々ありすぎた。神々のデタラメな異世界転生審査に引っ掛かり、そのまま異世界へ。そして王女様を助け、探し物して、王宮に連行され、そしてルミナとパーティを組むことに。人生一日で変わったな。


もう寝よう。うん。俺は枕に顔をうずめた。



♢♦♢♦


次の朝、俺はいつもよりもハッキリと目覚めた。前日あんなに色々なことがあったというのに、眠気も疲れも一切感じずに起床した。


理由は、前日の衝撃的な出来事に対して、現実感が無かったからだろう。俺はそう思う。なんせ、一日であまりにも多くのことが起こり、完全に人生が今までの俺のものではなくなった。


これからの俺とルミナの目標。

その一、冒険者としての経験を積み、ランクアップする。

その二、ルミナの探し物を探す。


俺たちは宿屋を出て、クエストを受けるためにギルドに向かった。ルミナはとてもわくわくしているようで、足取りもとても軽かった。


ルミナの探し物を探すより先に、まずは冒険者としての暮らしに慣れよう、という判断だ。それに周囲の野生の環境にも詳しくなる必要がある。


俺とルミナはギルドのクエストボードを眺めて、受注するクエストを選んでいた。ルミナが勢い余って高難度クエストを受けないか心配だったので、俺が慎重に選ぶ。


「ルミナ、これとかどうかな?」

「…【コボルトロードの討伐】…報酬5万G…良いんじゃないですか?お手軽ですね。」

「コボルトってことは…小人みたいなやつだよね?」

「正確には犬の顔をした小人ですね。王宮の図鑑で見たことあります。」


俺が今までやってきたファンタジーゲームの知識がこの世界でも有効ならば、コボルトは雑魚モンスターだ。俺たちはきっと全然弱くはないはずなので簡単に勝てるだろう。


「目的地は…メルネの森。そこにある洞窟を住処にしてるみたいだ。」

「白夜さん…!あの…早く行きたいです!」

「あ…そうだったね。行こうか。」



♢♦♢♦



俺たちはエルブルグ王都を出てから一時間のところにあるメルネの森へ向かった。そして森に入ってから30分歩き続けていた。


神様から貰った初期アイテムである魔法の地図(自分の位置が表示され、拡大と縮小、場所の登録が可能。クエスト目的地も表示される。)で見るともうすぐ到着だ。


情報では、コボルトは基本群れで行動しており、討伐対象であるコボルトはその群れの長らしい。装備している武器や防具、背の大きさも通常種とだいぶ違うらしい。


その時、俺の耳に草が揺れる微かな音が届いた。数は複数。それに何度も聞こえる。出てきたようだ。


「ルミナ、来る!」

「了解です!」


俺が武器を構え、ルミナも魔法の準備をした直後、茂みの中から十数匹のコボルトが飛び出て来た。背丈は俺たちの半分、もしくはそれ以下だ。全員が小さな剣や槍を持っている。


俺は強化された身体能力で一気にコボルトの眼前まで移動し、ゲームで見たモーションそのままに剣で突きを見舞う。俺の魔剣は真ん中のコボルトにクリーンヒットし大きく吹き飛ばす。


剣を突き出したままの俺を襲おうと飛びかかってきた数匹のコボルトはルミナの火炎魔法で叩き落された。


「喰らえッ!」

俺は周囲のコボルトを一気に倒すべく、剣を右から左に大きく斬り払った。魔剣から放たれた剣戟の威力はすさまじく、四匹のコボルトを一気に屠った。ルミナの雷魔法も残りのコボルトを穿つ。


「白夜さん!出てきました!」

「ロードか…!取り巻きも連れてるな…!」


俺は茂みから現れた一際大きなコボルトを見て言った。左右には三匹ずつのコボルトを引き連れている。


コボルトロードはすぐさまジャンプし、上から俺に湾刀を振り下ろした。俺は剣を真横に構えてそれをガードし、下からの斬り上げで相手の湾刀を弾く。


そのまま連続で魔剣を斬り払い、コボルトロードを追い詰める。もうすでにコボルトロードの装甲と湾刀はボロボロだ。


俺は真上から魔剣を振り下ろした。全力を込めた俺の斬り下ろしはコボルトロードの湾刀を粉々に砕く。それを見て慌てるコボルトロードを真横から斬り払い取り巻きの場所まで吹き飛ばす。


「あとは頼む!」

「任せて下さい!」


俺が攻撃を行っていた間に詠唱を終えたルミナは魔法を放つべく、コボルトたちの方向に手をかざした。するとルミナの真上にある光属性の光球から大量の光の矢が放たれた。



♢♦♢♦



「それにしても二回目の狩りでコボルトロードをあそこまで圧倒するなんて…凄いです!」

「そうかな…?それを言うならルミナの最後の光魔法だって凄かったよ。」


俺たちはクエスト報酬を受け取り、夕食をとるべく街中にある有名な飲食店【角鹿亭つのじかてい】にいた。なんでも食材を持参すればそれを調理してくれるようで、ルミナが道中でイノシシを狩るのを勧めてきたのはこのためかと納得する。


俺たちの話は尽きず、今は今日のクエストについて話していたところだった。


「あの魔剣も凄いですよね…どこで入手を?」

「あ、ああ…こいつね…知り合いの偉い人から貰って…。」


さすがに神様とは言えないので、俺はかなり遠回しに説明した。好奇心旺盛なルミナは更に聞いてくる。


「白夜さんはどこのご出身なんですか?」

「えっと…たぶんここから見るとすごく東だと思う。よく東の果て【極東】とか言われてるし。」


まあゲーム内の話だが。北欧やヨーロッパを題材にしたファンタジーなゲームでは大体日本はそう呼ばれる。この世界にそんな概念があるのかは不明だが。しかしルミナは…、


「昔王宮の図書館で読んだことあります!もしかして【和の国】ですか?」

「ああ。まあ、そんなとこ。」

「凄い…私、和の国の人に会ったの初めてです!」


やはりあるのか。和の国ということは恐らく日本とは似て非なる場所なのだろうが。まあそこの出身で通そう。


それよりもまずは戦術だ。お互いにどんな技が得意なのかを知る必要があるな。ルミナの得意属性とかあんまり知らないし。


「えっと…ルミナの得意魔法とか属性って?」

「私ですか?一応基本属性は全て使えますが…光属性が得意で闇属性が苦手ですね。白夜さんは魔法使わないんですか?」


そう聞かれて、神々のチカラで魔力も底上げしてもらっていることを思い出した。だが使えない。なぜなら


「使ってはみたいけど…発動の仕方がいまいちわからなくてさ。」

「…?発動の仕方ですか?極東には魔法がないんですか?私でよければお教えしますよ?」

「じゃあ明日にでも教えてもらおうかな。」


魔法を使う時ってどんな感じだろう。ルミナが使っているところしか見たことがないが、それを見る限りではとても強そうだ。…あれと同じレベルの魔法を俺が放てるのかは分からないが…。


成功したらいいなぁ…。失敗したらやだなぁ…。そう思いながらも俺はこの世界の料理を貪った。


次回はいつですかね~。数話後に新キャラが出るかも!?

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