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第4話 ようこそメタモルフォーゼへ

初めて書き始めた小説なので、文章としておかしな部分が多々あるかと思いますが、ご了承ください。

 メタモルフォーゼから迎えに来たヘリは優翔達のいる場所に着陸すると、優翔は泉美の誘導でヘリに向かう。



「頭上にお気を付けてください」



 多数の人数を運送出来るように特別製の大きさになっている巨大なヘリの広い機内の中で、優翔と泉美は隣同士に並んで座る。


 2人が乗り込むとヘリは翼を回転させて徐々に離陸を始める。

 ヘリが充分な高さまで上昇すると、次に別の場所で他のガイアスの対処をしている者たちの回収へと向かうためにヘリは移動する。



「…………」


「…………」



 2人だけの機内の中には微妙な空気が流れていた。


 約10年ぶりの幼馴染との再会に、お互い少しばかり緊張をしている。……だか、沈黙の時間も一瞬で終わり先に口を開いたのは優翔であった。



「……まさか、泉美ちゃんがメタモルとしてあんな化け物と戦っていたなんて、ビックリしたよ」


「そうですね。あれから色々ありまして、今はメタモルフォーゼのメンバーとして務めていますから」



 優翔の問いに泉美は微笑の表情で答え、すると次は泉美の方から口を開く。



「ですが、私も驚きました。実はこのあいだ前の町に行ってみたのですが、優翔様達がお引越しをなされていたので何処へ行かれたのかと思いました」


「ああ、実は泉美ちゃん達が町を離れた後、すぐに俺の家族も引越す事になってね。その後は――」



 2人は会話を交わしていき少しずつ緊張も解れ、話に弾みがつきはじめお互いにこれまでの出来事を話し合う。

 それから数時間後、別の場所で戦闘をしていた各現場にヘリが着く。


 既に戦闘を終えており、負傷した皆を乗せ、ヘリは離陸すると基地である屋敷へ向かい移動を始める。



「…………」



 ヘリの機内では負傷した者の手当てが行われており、その様子を優翔はただ静かに見続けている。



「……ご心配はいりません、あの程度の怪我なら大丈夫です。それに今回はむしろ被害が少ない方ですよ」



 泉美の言うとおり負傷した者のほとんどが擦り傷や骨折などばかりで大きな怪我もなく、皆は笑いながら雑談をしている。

 優翔を安心させようと声をかける泉美 。


 しかし、優翔の思考は別にあった。



「気のせいかな。さっきから俺の方に視線を感じるし、それに何か言われているようなぁ……」



 優翔は先程から疲れて休んでいる人達の方向から、時々コソコソと小さな話し声が聞こえたり、たまに鋭い視線を感じて何故自分の方を見られているのかをずっと考えている。


 そんな事を知らない泉美は優翔を心配そうに見ており、スッと優翔の手の上に自分の手を乗せると優しく握る。



「っ! い、泉美ちゃん……。何でもない、ありがとう」


「……はい」



 優翔は優しく微笑んでお礼を言うと、その様子を見て安心した泉美は優翔に微笑みを返す。

 ――そのやりとりの後、さらに鋭い視線が強くなった事を優翔は感じていた。






 その後ヘリは無事に屋敷に着き、屋敷の玄関前にある広い噴水広場に着陸するとメタモルフォーゼの者達は続々とヘリから降りていく。

 各々医療室に行く者、事後報告へ向かう者、そのまま寮へ帰る者に別れ去って行き、広場には優翔と泉美の2人が残る。



「それで、今から何処に行くの?」



 泉美はメタモルフォーゼの責任者の元へ一緒に来て欲しいと答え、優翔を連れて屋敷の中に入って行く。



「うわぁ……すっごく広いエントランスだな」


「こちらの通路の階段から行きます」



 優翔達はエントランスのフロアを通り、階段で屋敷の3階にある目的の場所へ向かう。

 見た目通り広い屋敷の中、途中数々の部屋の前を通り過ぎて行き目的の部屋、支部長室と書かれた部屋の前に着いた。



「……失礼します」



 泉美たちはノックをして部屋に入る。

 部屋の奥には大きな机があり、その奥の窓際の席に1人のスーツを着た大人の女性が座っている。


 泉美はその女性に挨拶と事後報告を済ませる。



「ご苦労だったわね」



 明るい茶髪を顎の位置まで伸ばし頭部にはオレンジ色のカチューシャを付けおり、身長は女性の平均より高めでスラッとした細い身体に胸の辺りが盛り上がっている姿をした女性は席から立ち上がり、扉の前に立っている優翔たちの元へと近づく。



「君が泉美の連絡で言っていた子ね……初めまして。私がこのメタモルフォーゼの支部長を任せられている、神河椿(かみかわつばき)と申します。よろしくね!」



 ニコッと笑いながら優翔に握手を求めたので、優翔はそれを受け入れ握手をする。彼女こそ、日本に存在する戦闘組織メタモルフォーゼの最高責任者である支部長の神河 椿である。



「はい。えっと、俺は……」


「疾瀬優翔くん、ですよね」



 自分が名乗るよりも先に答えた神河に、優翔は何故知っているのか尋ねると、「既に調査済みです」と答え神河は最初に座っていた席に戻り椅子に座る。



「失礼とは思いましたが、泉美から連絡をもらった後に色々と調べさせてもらいました。パンドラの災害に巻き込まれて、大変でしたね」



 優翔にそう言うと、神河はすぐに真剣そうな顔をする。



「それで、早速急な話で悪いけど、だけど単刀直入に言います。疾瀬優翔くん……メタモルフォーゼに入って貰えませんか?」


「えっ……!?」



 突拍子も無く神河からの誘いを受け、何事なのか分からず優翔は困惑していた。



「あ……あの、どうして俺を?」


「それは、君の隣にいる泉美からお願いされたからよ」


「泉美ちゃんが……」



 どう言うこのなのか優翔が聞くと、メタモルフォーゼではメタモルはパートナーとの2人組みで行動を共にする事が基本となっており、メタモルを選抜してパートナー志望をしたり、逆にメタモルがパートナーを選抜する事で主従関係へとなる。

 人一倍の才能と能力を持ちメイド長の座をも持つ優秀な泉美は、これまで幾つも主従志望を受けたがその中からパートナーを決めることはなかった。



「その泉美が『優翔様を主人(パートナー)にしたい!』と言うものだから、色々と準備が必要だったわ」



 苦笑を浮かべて神河は事の経緯を言う。



「泉美の要望は叶えてあげたいけど……。しかしここは、日本支部の責任者としてはっきりと申します」



 しかし神河はまたも真剣な表情になり、今度はどこか重たい雰囲気を出し泉美の表情も曇る。



「メタモルフォーゼに入ると言うことは、命をかけてガイアスと死闘をすると言うこと。もちろん、命の保証はありません」


「その上でもう一度問います。私達と――泉美と共に戦ってくれませんか?」



 神河の問いに優翔は考える。今までの日常を捨てて、泉美と共に戦う覚悟が自分に有るのかどうかを。

 そして……。



「や――やります! 俺にどこまでの事が出来るのかはわからないけど、泉美と一緒に……俺も戦います!!」



 決意を決めた優翔の堂々とした言葉に神河は「……わかりました」と少し満足そうにして答え、泉美もとても嬉しそうな顔をしていた。



「優翔くん、ここではみんな世界を守るために()()として戦っています。あなたも、勇者として活躍してくれる事を期待していますよ」


「勇者……!! はい、頑張ります!」



 勇者と言う言葉に男心が踊り出したようだ。



「はははっ。では、面倒な手続きはこちらで済ましておきます。時間ももう遅いですから、優翔くんも今日はここの寮に泊まって行くといいでしょう。荷物等は後日に自宅から移動すると良いですから」



 神河の提案に受け入れると優翔は部屋を退出し、泉美に連れられ敷地内にある寮へと向かった。






 日が沈み、暗くなる支部長室の椅子に座り1人で書類整理をしている神河。

 すると、何処からともなく()()()()()1人の執事服を着用した男性が神河の側に立つ。



「……椿様。泉美の選んだ彼、果たして我々の戦力になり得るのでしょうか?」



 銀髪の前髪で左目が隠れている男性は神河に出来立ての珈琲を出すと、神河はそれを手に持ちながら答える。



「あの子が選んだなら、きっと大丈夫よ、狼夜(ろうや)。……うん! 今日も美味しいわ!」


「ありがとうございます、椿様」



 神河は狼夜の入れた珈琲を美味しそうに飲みながら、仕事を続けた。

※補足をさせていただきます。

優翔のセリフで泉美を「ちゃん」付けで呼ばなくなるシーンがありますが、裏設定として優翔は真面目なシーンなどになると泉美を呼び捨てで呼ぶクセがあります。

決して脱字では有りませんのでご了承を。

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