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第2話 再会の予感

初めて書き始めた小説なので、文章としておかしな部分が多々あるかと思いますが、ご了承ください。

 同日の朝、日本のとある場所、緑豊かな山の中に作られた広大な敷地の中に設立された寮。

 その一室、清潔に清掃され物も整えられた広い部屋で眠る1人の少女。

 朝、まだ僅かに日が昇るよりも早くに少女は起床した。



「――っ! ……う〜〜ん」



 少女は起き上がりベッドに座ったまま、目覚まし時計の予約を解除する少女はまだ少し眠気のある顔をしていた。



「……今日も目覚まし時計のアラームが鳴る前に起きれましたね」



 目覚ましに向かいそう呟く少女。

 少女の名は春季泉美(はるきいずみ)

 日本のとある施設でメイドを勤めている17歳の少女。


 泉美は目覚まし時計を元の位置に戻しベッドから立ち上がると朝の支度を始めた。

 泉美は睡眠用の服を脱ぎ下着姿となる。健康的な白い綺麗な肌、年相応に成長した豊富な胸に腕を添えながら衣類の入った棚を開き中からいつもと同じのメイド服を取り出し、それに着替え始めた。

 泉美は最後に紐タイを結び終えると姿見鏡で服装を整える、支度を終えると泉美は自分の部屋を出て寮専用の食堂へ向かった。



 食堂で料理の支度をしていたおばちゃんに「今日も相変わらず早起きの一番乗りだね!」と声をかけられ笑顔で答えた泉美は食事を受け取り、食卓で朝食を頂いた。焼きたての魚に味噌汁から香るいい匂いにまだ少し眠っている頭をクリアにしていく。


 泉美は食事を終えると食器を戻し、食堂を出た。

 エントランスに向かい外へ出ると、丁度日が昇り泉美の上に明るく晴れ渡った空が広がり、太陽から暖かい日差しが泉美を照らし、綺麗な黒い長髪が風に揺れる。



「今日もいい天気ですね」



 ――――何か、良いことがありそう――――



 泉美はそう思いながら箒を持ち、玄関前の周りを掃除を始める。

 途中、共に寮に住むメイドや執事の人達が起き出し始め外へ向かう時に泉美に朝の挨拶をする。それに答え返事をしながら、泉美は掃除を続けた。


 泉美は掃除を終えると、一旦部屋へ戻り荷物整理をした後と部屋を出ようとした。



「っと、いけない……。忘れるところでした」



 泉美は部屋を出る寸前に忘れ物をしたことを思い出し取りに行く。

 それを()()()()()と「行ってきます」と言い職場である屋敷へと出かけた。






 泉美が務めるそこは、世界の各所に存在する変幻適合者(メタモル)の為に設立された施設 《変幻適合者(へんげんてきごうしゃ)戦闘特殊(せんとうとくしゅ)訓練施設 (くんれんしせつ)》、別称をメタモルフォーゼと呼ばれている。

 外見は3階建の横に5部屋、両端の部屋は正面に一部屋分付き出ており、正面中央が入口となっている巨大な屋敷。


 ここではメタモル達が上手に肉体を変幻(トランス)させる技術と戦闘技術を学びガイアスと戦う兵士を生み出されている。

 そして今、新たにメタモルフォーゼに入ろうとする新人達のために研修室で1人のメイドによる説明会が行われていた。



「本日皆さんにこのメタモルフォーゼについて詳しく説明します、咲末 (さくま)と申します。皆さんよろしくお願いします!」



 元気よく振る舞うメイド、咲末は新人達の挨拶をする。



「では、まず始めにメタモルについて説明します」



 トランス――メタモルが()()()()()に変身する能力のこと。

 メタモルは剣、盾、槍、鎧、拳銃、日常に使う様々な物にトランスする事ができる。


 しかしトランスにも不可能なことがある。

 本来人間の身体である故、銃火器の弾までは生み出せず、遠距離用の武器、道具にはなれず、人間の細胞の質量の限界により乗り物や建物にもなれない。



「ここまでで何か質問はありませんか?」



 すると1人の研修生が手をあげ質問をする。



「精神力を鍛えるのに何故メイドや執事が良いんですか?」


「良い質問です。昔から使用人は主人の命令に忠実に応えるべく知力・体力・忍耐力が必要となっていました。我々は知力、体力はもちろん忍耐力、つまり精神の制御が必要となるので使用人が1番最適なんです」



 質疑応答を1時間ほどし、説明会終了の時間が迫ってきたところで咲末が最後に研修生たちに一言伝える。



「最後に1つ忘れないでください。メタモルがトランスすれば持ち手が必要です。パートナーとメタモルは2人で1つ、その事を覚えていてください」






 その後、説明会を終えた咲末は新人達を連れ次にメタモルフォーゼの中の案内を始めた。教学室、医療室、シュミレーション室や訓練室などの紹介をする。



「皆さんは今後はしばらくは先程の教学室で勉強をしながら、訓練室で体力作りをしてもらうことになると思います」


「はい。……うん? あれは?」



 1人の新人が外の中庭で何かに気付き、中庭が見れる窓に近づくと他の人達もつられて窓際に集まり外の様子を確認する。

 中庭の広間には武器を持った5人の人達が1人のメイド姿の女性、泉美を取り囲んでおり、今から稽古を行おうとしていた。



「練習だからって、俺たち手加減せずに全力で行きますから!」


「もちろんです、遠慮せずに来て下さい」



 すると次の瞬間、1人の男が動いた。



 小斧を振り下ろしてきた1人の男の手を掴み一瞬で男を地に伏せその衝撃で気絶する。


 続けざまに警棒と折り畳まれたパイプ椅子を持った2人の男達の攻撃を交わし、2人の武器を持っていない手を掴みお互いを引き寄せるとお互いの武器に自分たちに当たり倒れた。


 槍を持った1人の女の不意打ちに紙一重によけ手刀を女の首に当て気絶した女を優しくその場に寝かせる。


 最後にメリケンサックを装備した男の素早い連続パンチを全て交わし男の懐に飛び込み腹部に拳を撃ち込んだ。



 一瞬で武装した5人を相手に、泉美は圧倒的な力を見せて勝利を得る。



「ふぅ……まだまだ練習不足ですね。もっとチームで連携して攻撃できるよう工夫してみるのが良いでしょう」



 綺麗な黒い長髪をなびかせ、息も切らさずにその場に立つ。

 そして首には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を身に付けた泉美は、訓練相手である彼らに連携プレイのダメ出しと今後の改善点を告げた。



「スゲェ……1人で全員をノックアウトしたぞ!」


「しかも動きがすごく速かったよ!」


「咲末さん、あの人は?」



「彼女は泉美様。この施設にいる使用人(メタモル)の中で実力、能力値が高く、メイド長に選ばれた優越ある方です」



 新人達が訓練中の泉美に興味を持ち出したその時、屋敷内のアナウンスが鳴った。



『〇〇地区でパンドラ反応! メタモルフォーゼは現場周辺の市民の避難、及び対ガイアス準備にかかれ! 繰り返す――』



「いけない! 皆さんは先ほどの研修室に戻って待機していてください!」



 咲末が新人達に指示を出していると、中庭では泉美が静かに何かを考え込んでおり、しばらくして泉美が口を開く。



「……咲末、私も現場へ向かいます。車の用意をして下さい」


「わかりました! すぐに手配を!」



 泉美は中庭からエントランスの方向へとに向かい、用意された車に乗り込み現地へと向かった。






 現場付近では騒ぎが起きていた。

 そこに数台の車が現れ、車から出てきたメタモルフォーゼの関係者が付近の人達を避難させていた。



「さて……」



 現場に降り立った泉美。普段は災害の警戒値が高くなければ滅多に現場に現れない彼女だが、この日は違った。



「なんでしょう、この胸の高鳴りは……。何かが私を呼んでいるような……――」



 これまで感じたことの無い不思議な感覚を覚えていると、近くで悲鳴と騒ぎが聞こえ、被害現場である場所に向け駆けだした。そこには薄灰色の甲殻の姿をしたガイアスが1人の少年を襲おうとしていた。



「逃げ遅れか……」



 少年を救おうと駆け寄る。



「…………っ! あれは!?」



 救助に行こうと少年に駆け寄る泉美が目にしたのは少年の首にある1つのネックレスだった。


 泉美は駆け寄る中、一滴の涙を流した……。


 ガイアスの前に立ちはだかり、泉美は少年の元へ現れ、呟く。



「……やっと、会えた」

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