99/152
中間管理職魔王
「よく来たな……。勇者とその仲間達よ……。我が魔王『ダーク・ルシフェル』である……。さっそくだが貴様達には、この国を恐怖で支配する為の生贄となってもらおう……」
くたびれた中年男性は、まるで俺達が来る事がわかっていたかのように語りかけてきた。流石は魔王を名乗るだけあって見事に落ち着きだ……。だが、どう見てもその威厳ある態度と姿形が嚙み合ってない様に思えた。仲間のみんなは威圧してくる魔王に対し警戒心を顕わにしていたが、俺だけは心に腑に落ちない物を感じている。
「それでは、これより狂気の宴を始めよう……。さぁ、貴様等の絶望の叫び声を聞かせてくれ!」
ズオズオズオッ!とバトルモードに移行しようとしている魔王を、俺は腕でTの字を作って待ってもらった。仲間達と円陣を組んで相談タイムに入る。
「……ちょっと、魔王に確認したい事があるので聞いてみてもいいですか?」
仲間にそう聞いてみた。そして、魔王に向き直りこう尋ねる。
「アナタ、もしかしてこちらの世界に、『転移』されてきた方ですか?」




