魔王降臨
源安さん達が、妖し達を引き付けてくれている間に、俺達は先を急ぐ事にした。源安さん達がどうなるのかわからないので、なるべく早くに方を付けなければならない。
けっこう洞窟を奥へと進んでみたが、妖し達はほとんど出てこなかった。拠点に残った妖しは、あれでほぼ全てだったのかもしれない。
やがで洞窟の最深部と思われる地点まで辿り着く事ができた。
最深部に近付くにつれ、回りの温度が少しずつ高くなっていった。拠点のある山は火山なので、奥へ行く程熱くなっていくようだった。
最深部は溶岩が所々から噴き出し溜まりを作っている、地獄のような光景をした、大きな広間になっていた。そこには岩を削って造った、また大きな椅子に座った何者かがいた。
それは闘牛よう角を頭に生やし、蝙蝠のような羽を背中から生やした人間の様だった。
気になったのはその角や羽ではなく、そいつの格好だった。上半身には白いワイシャツとワインレッドのネクタイ。下腕には黒いモコモコのカバーを填めている。下は紺色のスラックスを穿いており、足元は黒い革靴だ。そして、顔には黒縁の分厚いメガネをかけていた。顔は痩せ型の中年のおっさんで、髪型は所謂バーコードハゲだった。
角と翼さえなければ、俺の元居た世界にならどこにでいた、くたびれた中年サラリーマンにしか見えない。




