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ショーグン!

 ミツハはカリンに例の件で、こっ酷く叱られていた。カリンとミツハは双子だが、性格は少し違うらしく、ミツハの方がカリンよりイタズラ好きに見える。


 それから数日、宿でゴロゴロとしていると、どこから遣いがやって来たと、宿の主人が部屋まで伝えにきた。宿の主人の(かしこ)まった様子から、かなり身分の高い相手からのようだ。

 その時、丁度宿にいたのは俺とワタナベさんの二人だけで、他の人達は女性だけで町の観光に出掛けていた(アーリエが、こちらの国の日常会話ぐらいなら、出来るようになっていたからだ)。この二人では不安だが、そんな身分の高そうな相手からの使者を待たせる訳にも行かないので、すぐに宿の主人に付いていき一階へと降りていく。宿の一階の客間に通される。使者は二人の侍だった。

「突然の来訪に応じいただき感謝をいたします。我等がこちらに参りましたのは、我等の主君である上様が、是非お会いしたいと仰せしておられるからです。明日、(へび)(こく)(午前10時ぐらい)、城から迎え寄越しますので、それにて御登城の程、よろしくお願い致します」

 ……将軍家の将軍が会いたい、という申し入れかな?なかなかカリンから、そういう手筈の話がなかったので、やはり時間が掛かるのかなぁと思っていたが、向こうから使者を寄越してきたようだ。しかも会う日は明日にしてくれと言っている。話が急過ぎる気はするが、相談する相手がいないし、別に暇なので承諾の為に仰々しく頷いておく。使者達はくれぐれもと、また再度迎えを寄越す時刻を言い去っていった。

 帰ってきたカリンにその事を伝えると、また難しそうな顔をしていた。


 翌日、伝えられていた時間きっかりに、伝えていた人数分の(かご)が城から来ていた。

 俺、アーリエ、プロヴダ、ワタナベさんの四人が籠に乗り城へと向かった(獣子は来たがらなかったので宿に置いてきた。カリンとミツハは、皇家からの使者ではあるが身分が違うので、同席は控えると言っていた)。

 オエド城はかなり高い建物だ。基本平屋の皇ノ命(すめらぎのみこと)が住む皇宮とは対称的だった。

 城の門を潜り、籠から出され、城の中に入り、茶坊主に中を案内される。二階のどこかの部屋に連れて行かれ、そこでしばらく待つように言われた。しばらくしてから別の坊さんが現れ、謁見時の作法についてなどを教えられた。現れた将軍が声を掛けるまでは、その場で頭を伏せる這いつくばって待つようにとか言われたので、プロヴダがそれを激しく拒否している。ゴネた結果、その場でただ座って待つだけでいいという事になった。

 そして、遂に将軍に謁見する時刻が訪れた。

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