表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/152

さらば、愛しき豚野郎②

 獣子が俺の胸に包丁を突き刺す為に力を入れようとした瞬間、彼女の後ろに何者かが忍びより首筋に刃物を当てた。

「……包丁を横に置きなさい」

 後ろにいたのはカリンだった。獣子は言われた通りにする。

「お前はキノコを食べなかったのか?」

「少しだけいただきましたよ。でも私は(しのび)なので、毒が効きにくいんですよ……」


 カリンは獣子を組み伏せ、自分の服の帯で獣子の身体を縛り上げた。そのまま土間に彼女を転がして見張りをしている。朝になると、俺達の身体からもすっかり毒が抜けていたので、カリンから全ての事情を聞いた。

 土間の獣子を見て驚いたのは、頭に変な物が付いている事だった。頭巾が脱げていたので、それが見えていたのだが、丸い獣のような耳が左右に一つずつ付いている。獣子は、「これはワタシの耳だ」と言った。

 カリンにも聞いてみたが、獣が混ざったような姿の人間が、たまに産まれるとらしいという話は聞いた事があるが、自分も初めて見たと語った。

 もしかして獣子も(あやか)しなのだろうか?獣子は、「あんな奴等と一緒にするな」と言っている。じゃあ何故、俺を殺そうとしたのかについて尋ねると、「ただ美味しそうな匂いがしていたからだ」と言った。俺を食べようと狙っていたらしい。他の者は要らないので、殺して捨てようと思ったと言っている。この娘、凄い怖い……。美味しそうに思われたのは、俺の能力のせいなのかな?


 獣子の事をどうするか、みんなで話し合ってみる。またこんな事を仕出かすとあれなので、近くの町の人に引き渡すのが良いと思われるのだが、獣子は今回のような事をしたのは、これが初めてだと言った。

 カリンが、「この娘を連れていく事はできませんか?」と何故か言っている。何か気になる事があるらしい。

 俺は獣子に食われかけた身なので、連れていくの嫌なのだが、カリンを除くみんなは『別に構いませよ』と言った空気を出していた。

 獣子にも一応、伺ってみると、

「ワタシも一緒に行きたい」

と、言った。

 結局は多数決で獣子を連れていく事になってしまっていた。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ