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異世界に転移した俺は美少女たちとニャンニャンしたい  作者: 雑草という名の草
第一章 ゴブリン退治編
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ゴブリン退治③

 ゴブリンが直前にまで迫ってきた!

 ゴブリンは右手に持った棍棒を振り上げ、前にいるアーリエに殴りかかろうとしている!

 だが、アーリエはゴブリンが現れた瞬間から、慌てる事なく金色の杖を前にし、なんらかの呪文を詠唱していた。すると、杖の先からは小さな火の玉が現れ、それは見る間に大きくなっていく。サッカーボール程の大きさになったそれを、アーリエは詠唱が終わると同時に放った。炎の塊は、ゴブリンの顔面に見事にヒット。ゴブリンはもんどりを打って地面を転げ回った後、勢いよく洞窟の奥へと逃げ去っていった……。


 突然の出来事に、俺は小便をチビりそうになっていたが、アーリエは未だに落ち着いている。

「……奥へ逃げていってしまったので、また次が来ると思います」

 彼女はカンテラを俺に手渡し、肩から下げたカバンの中から、石灰岩の小さな塊を取り出した。それを使って地面に、直径1,5メートル程の円で囲まれた簡単なデザインの『魔法陣』を描いた。それを描き終えると、自分と一緒にその円の中に立つようにと指示する。指示された通りに中に入ると、「この魔法陣の中にさえいれば、ゴブリン達から例え攻撃されたしても、魔法陣の光がワタシたちを守ってくれます」と説明してくれた。


 その中で緊張しながら待つ。すると、ゴブリンがまた洞窟の奥から走ってやって来た。今度は4匹もいる。ゴブリンを認めるとアーリエは、すぐに呪文の詠唱を始めた。短い詠唱が終わると、地面に描かれた魔法陣が白く輝きだし、円の部分から淡い光の柱が立ち昇って、俺たちの身体を包み込んだ。

 そこにゴブリン達が、いきり立って攻撃しようとする。だが、その攻撃はすべて俺たちを包み込んでいる光の柱によって、弾き返されていた。アーリエもまた、さっきの『炎の弾』を飛ばして反撃をしている。続け様に2匹のゴブリンが、顔面を抑えながら地面を転がり回った。残りのゴブリン達は、なんとか俺たちに攻撃を加えようと、石を拾ってそれを投げてきたり、タックルをかましてきたりなどしているが、それらはすべて魔法陣による光の柱によって弾れていた。

 ……ここまではいいのだが、一つ弱った点がある。実はアーリエが放つ炎の弾も、火力がいまいち低いのか、ゴブリンに当たったとしても(炎の弾はすべてゴブリンの顔面に当たっている)、多少焦げたりするぐらいで、ゴブリン達は悶絶し転げ回った後でも、また立ち上がって、こちらに攻撃を加えてこうよとしているのだ。

「……久し振りに使うから、威力が低いんですかねぇ」

と、アーリエは呟いていた。


 そういう訳で、俺たちとゴブリン達は、膠着(こうちゃく)状態に陥っていた。アーリエも魔法を連続で使っているせいなのか、少し息が上がってきている。ゴブリン達も、魔法陣の光の柱のせいで、攻撃がまったく通用しないので、俺たちの前でじりじりしているだけになっていた(炎の弾のダメージも少しはあるみたいだが)。

 そんな感じになっていた訳だが、急にゴブリン達が、洞窟内に響き渡る程の、激しい雄叫びを上げ始めた。

 その激しすぎる雄叫びに、ビビッてしまった俺は、思わず少しだけ後ろに下がる。そのせいで俺の左腕が、魔方陣の光からはみ出てしまっていた。

 そこをどこから回り込んだのか、後ろからこっそりと近付いてきていた、一匹のゴブリンに掴まれてしまう。俺はそのまま後ろに光の柱から引っ張られだされた。尻餅を突いた俺をゴブリンが、手にした棍棒で殴ろうとしている。アーリエはすぐにそれに気付き、炎の弾を飛ばそうと詠唱を始めたが、間に合いそうにない。俺は固く目を閉じて、その衝撃を待った。

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