神国見聞録
スメラギ神国に辿り着いたが、そこはまだニニギ達が来たという街ではない。更にそこから沿岸沿いを伝いながら、やっと目的地が近いという港町までやって来た。
その港町の名前は『オザカ』というらしく、そのオザカはまんま江戸時代の日本といった感じの町だった。だが、俺がテレビの時代劇などで観た、ステレオタイプの江戸時代の風景とは違っている点もいくつかある。まずは、町行く人々の格好だ。男性で言えば、普通に着流しや袴などを履いた和装をしている人もいれば、ニニギ達のように古代飛鳥人のような格好をしている人もいた(着物を着ている人に比べれば数は少ないが)。
その中で一番、『変わっているなぁ』と思った風俗が、『髷の形』だった。俺が知っている江戸時代の男性であれば、月代を剃り銀杏髷をしているのが普通だと思い、実際にそういう髷をしている人も大勢いたのだが、それ以外にもよくわからない奇抜な形の髷をしている人が中にはいる。それはハート型やスペード型の形の髷などだった。前から見ると頭の上に黒縁のハートなどが乗っているように見えるので、見慣れていないと思わず笑ってしまいそうになる。そういう奇抜な髷をしている人は、立派な身成をしている人が多かった。後でニニギの従者にその事を尋ねてみると、「ああいった奇抜な髷をしている人は、商店の旦那衆などが多く、髷の形などで己の権勢振りを誇っているのです」と教えてくれた。
建物の見た目や動植物などは、やはり昔の江戸時代頃の日本と、そんなに変わらないように見える(細部で違っている部分はかなりあるのだが、長くなるので説明は省いておく)。




