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異世界に転移した俺は美少女たちとニャンニャンしたい  作者: 雑草という名の草
第一章 ゴブリン退治編
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ゴブリン退治②

 若者が突然叫びだしたので、その場にいる全員が驚いた。

 俺たちに背を向け震えながら、

「そ、その、()()()()()()()()()()()()()!!」

と、また叫んだ。

 金色のやつってなんだ?金色のやつと言われて、思い当たるのは1つ。アーリエのカバンから覗いている、『金色の杖』だ。

 アーリエがはすぐに気付いて、若者の母親に見えない所に杖をしまってもらった。

「もう大丈夫ですよ」と、アーリエが若者に声を掛けたが、若者はまだ俺たちに背を向けて震えている。若者の母親は、「息子はゴブリンに襲われてから、たまにこうなってしまいます。前は『蛇』を見てこうなっていました」と話した。

 俺たちは、「では、お身体をお大事に」とだけ声を掛け、家から立ち去った。

 家を出た後は村長と別れ、ゴブリンの巣がある、森の方へと向かった。


 森の中に入るとアーリエは、まず若者がゴブリンに襲われたという場所に向かっていた。『なんでわざわざそんな場所に行くのか?』。俺にはわからないが、何か気になる事があると言っている。アーリエは森の中の、大して道がないような、若者も大雑把にしか説明できなかった所に、迷わず行き着く事ができていた。

 なんで気晴らしで、こんな所にいたのかわからないが、少しだけ木がない平坦なスペースがある。何かあったような痕跡は、俺には見当たらない。アーリエが現場を入念に調べ始めた。気になったのは、回りの木に多数の『切り傷』があった事だ。木樵が切り付けたような物ではなく、浅い切り傷がいたる所に付いている(高さ的には俺の頭から胴の上ぐらいまでが多く、一、二本の特定の木に多く付いていた)。気になる箇所は、すべて調べ終わったのかアーリエは、その場を後にして近くにあるというゴブリンの巣に向かう事にした。


 近くにあるとは言っても森の中なので、行き着くまではけっこう時間が掛かる。俺はもう疲労困憊でヘトヘトなのだが(途中でアーリエに何度も心配され、「村に帰って休んでおきますか?」と問われていたが、休憩を何度か取ってもらい、なんとかここまで辿り着いていた。アーリエ一人だったら、もっと早くに着いていただろう)。

 洞窟の入り口の前は、少しだけ開けている。その前に広がっている、林の中の1本の木の陰から、こっそりと遠目に入り口の様子を(うかが)っていた。ここまで来る道中にも、ゴブリンに出会(でくわ)す事はなかったが、基本的にゴブリンは夜に行動するらしい(別に決まっているといった訳でもないらしいが)。洞窟は特に変わった様子もなく、ゴブリンの姿も見当たらない。ここは意を決して、洞窟の入り口まで近付いてみようとアーリエは言った。

 洞窟の前には、人のような物に見える足跡がいくつかあった。子供ように小さく素足だ。やはり、ここにゴブリン達が潜んでいるみたいだ。アーリエが、「リュックから、カンテラを出してもらっていいですか?」と言ったので、俺は背負っているリュックからカンテラを出し、アーリエに手渡した。アーリエはカンテラに火を灯すと、それを洞窟の入り口に刺し込んだ。中には何も潜んでいないかのように、ヒッソリとしている。特にゴブリン達の影も見えないので、俺たちは中を進んでみる事にした。当然、アーリエが先を歩き、俺が後から続いていく。アーリエは右手にはカンテラ、左手には例の金色の杖を携えて進んでいた。俺の緊張で軽く震えながら、後を続いている。

 洞窟内の地面は思っていたよりも滑らかで、割と歩きやすかった。洞窟の大きさはだいたい横幅が3メートル、高さもそれぐらいあり、それが途中で広くなったり狭くなったりしながら続いている。

 真っ直ぐと道なりに、30メートル程進んだ辺りで異変が起こった。前方から一匹のゴブリンが、なにかを叫びながら走ってきたのだ!

 どうやら、俺たちの存在に気が付き、襲い掛かろうとしているみたいだ!

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