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ワタナベさん

 倒れていたその人に名前だけは尋ねておいた。『ワタナベアツシ』という名前らしい。


 回りの目を盗みながら、ワタナベさんにこっそりと事情を伺ってみる。ワタナベさんはやはり、()()()()()()()()()()()()

 元に居た世界も俺が居た世界と変わらない、20XX年の日本だ。

 ワタナベさんはトラックに轢かれそうになっている小犬を助けようと道路に飛び出した所、自分だけ跳ねられてしまい亡くなってしまっていたらしい。それから、あの世で例の神と出会い、この世界に送られる事になったんだいう話だ。どうしてこの世界を選んだのかについては、『別に行く世界はどこでも良かったので、神様に任せたらここになっていた』と語っていた。

 元の職業は新聞販売所の社員で、趣味はサバゲー。ミリオタで自衛隊が好きらしく、聞いてもいないのにその蘊蓄(うんちく)を語ったりもしている。

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