星空の下で
誰かが呼んでいる様な気がしたので、目を開いてみた。目を開いても周りが真っ暗だったので焦ったが、すぐに井戸の中に隠れていた事を思い出した。
頭の上で誰かが呼んでいるので、そちらを見てみると、プロヴダが呼んでいるみたいだった。上から松明でこちらを照らしている。側にはアーリエの顔もあった。
頭の天辺がズキズキと痛んでいるので何かと思ったら、井戸が崩れた時に落ちた石で頭を打っていたらしい。側にはその時に落ちた石などが転がっている。トラックが井戸の真上に落ちてきてからの記憶がまったくないので、どうやらそのまま気を失っていたみたいだ。すでに止まっているが、頭からは血も出ていた。
外はまだ夜な様で、トラックが降ってくるのはすでに止んでいる様子だった。
垂らしてもらったロープで上へと昇り、井戸の中から這い出る。辺りにはトラックの残骸が、そこらかしこに散らばっていて、まだ炎上している物もけっこうあった。そのおかげで辺りはかなり明るい。
とりあえずお互いの無事を喜び合ったが、額の固まった血を見てアーリエが、「大丈夫ですか?」と尋ねてくれた。「動かすと少しズキズキする」と答えると、治癒魔法をかけてくれた。
トラックが降っている間、2人はどうしていたのかを尋ねてみた。
2人は自称AKB四天王に捕らえられていた各家の村人や、一緒に分散して押し込まれていた兵士達を解放した後、トラックが降ってこない離れた場所まで避難していたそうだ。
そういえば転移者の残りのチビの姿が見当たらないので聞いてみた所、チビは地下に貯蔵室がある建物を村人から教えてもらい、そこに一人で隠れているらしい。まだチビの安否は確認していないらしいので、その場所までみんなで行ってみた。
チビが隠れているはずの建物には、トラックの残骸が小山の様に積み上がっていた。建物もトラックに潰されていて跡形もない。この様子ではチビが隠れている地下の貯蔵室も、押し潰されてしまっているんじゃないだろうか。例え生きていたとしても、トラックの残骸を除いて救出するまでに、かなりの時間を要しそうだった。
後で聞いた話では、俺の隠れていた井戸に降ってきたトラックは、あの一台だけらしかった。何故、チビが隠れていた場所には、あれだけのトラックが降り積もり、俺が隠れていた井戸には一台しか降ってこなかったのかは謎だ。
一方、こちらは天界──
神殿にある自分の居室のベッドの上で、寝ながら漫画(MA○OR)を読んでいた神が、ふと思った。
「(そう言えば、別の世界に送ってたやったオタク4人の内の1人が、先に来ていたオタクを裏切り者だとか言って、そいつを始末する為の能力が欲しいと頼んできたのを、『誰かを特定して悪用するような能力はダメ』と却下したんだった。だが、条件の指定範囲を広くするのと、使用するリスクを高目に設定する事で、その能力を与える事にしてやった。だけど先に来ていたオタクは、送った先の世界で一度死んじゃって生き返ってるから〈第3話参照〉、厳密には別の世界から転移してきた奴とは言い難いんだよなぁ……)」




