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四凶⑤

「ハハハハハッ!果たしてそんな事で、生き延びる事ができるのかな!」

 そう言った後にガリは、自分で召喚したトラックに潰されてしまっていた。本当になんでそんなアホな能力にしたんだろうか……。

 アーリエが、「村には井戸があると思いますから、その中に身を隠せばいいんじゃないでしょうか?」と提案した。井戸の中ならトラックが降ってきても、恐らく俺の所までには届かないだろう。それ以上に良い方法も思い付きそうになかったので、村の中で井戸を探してみる事にした。

 村の中心付近で井戸は見付かった。井戸の中はすでに真っ暗だ。井戸の桶を下に落とすと、やはり下には水が溜まっている。そのまま入ると、ずっと水に漬かったままになるので、その対策として、近くの農家にある家具やら農耕器具などを、井戸の中に放り込みまくる。その後に藁を入れ、適当な板なんかも何枚か放り込み、布を敷いてその上に長時間座れるようにする。それから、ロープで下まで降りていくという段取りだ。

 近くの家屋から井戸の中に放り込む物を探す為に中を覗くと、その家にはそこに住んでいたのであろう家族が、フン縛られ転がされていた。その人達の縄を解き、井戸の中に物を放り込むのを手伝ってもらう。家族は助けられた事を恩に着たのか、事情を聞かずに手伝ってくれていた。

 やっと井戸に入る算段が付き、ロープで下まで降りていく事ができた。この井戸に入るのは俺だけで、チビの方はまた他の方法を考える予定になっている。流石に転移者の2人が、同じ場所にずっといるのは危険過ぎるからだ。俺がロープで下まで降りた後に、アーリエが井戸の蓋を閉めた。これで中は完全な真っ暗闇だ。

 井戸の外からは轟音が続いて聞こえてきているのだが、井戸の中にいると遠い場所から聞こえている様に感じる。『学校で習った戦争の時の防空壕の中とかも、こんな感じなんだろうか?』とか意外とノン気に考えていた。 


 ……井戸の中に入ってから、だいぶ時間が経ったような気がするが、まだ外の轟音は鳴り止んでいない。

 アーリエ達は無事なんだろうか?ガリは『転移者を必ず殺す能力』と言っていたので、俺達転移者と離れていれば大丈夫だと思うが、能力の全容がよくわからない。『一億台のトラックを降らせる能力』だと言っていた気がするが、流石にそれは誇張で、それだけのトラックを降らせる事は出来ないと思っている(あの世で光るハゲは、「その世界の仕組みを壊しかねないような能力は駄目」と、言っていたからだ)。

 しかし、こうやって暗闇の中で一人でポツンと過ごしていると、なんだか昔の事を思い出してしまう。前の世界に居たときは、ただひたすら自分の部屋で、パソコンなどをいじ繰り返しているだけの毎日だった。こちらの世界での生活は不便な事の方が圧倒的に多いが、周りに人がいる分寂しくなる事は少ない。今もアーリエの事を想うと、心がホワホワとしてくる。やはり、これは恋なんだろうなぁ……。思えば恋なんて、小学生にした初恋の時以来だ(二次嫁は除く)。あの時は学校で授業中にウンコを漏らしてしまったせいで、『大便太郎』というアダ名を付けられいじめられてしまい、当然だが初恋も実る事なく終わってしまっていたんだった。

 そんな様々なつらつらと考えていた所、突如俺の頭の上から轟音が鳴った。

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