四凶④
ガリが空を見上げ、天に向かって両手を翳した。すると、すでに太陽が傾いている空に、幾つかの小さな『点』が突如出現した。『点』は見る見るうちに大きくなっていき、その『点』の正体がわかったときには、それはもう間近にまで迫っていた。
「……トラックだ」
俺がそう認識した数瞬後、何台かのトラックが少し離れた大地にブチ当たっていた。凄い衝撃と轟音が辺りに響き、トラックの破片も散弾丸のように周囲に散らばった。それからも次から次へと色々な場所にトラックが降り注いでくる。まるで夜空から星が落ちてきているようだった(まだ夕方近くだが)。
「これが俺の能力『空から降る一億のトラック(ウィッシュアポンシューティングスター)』だ!お前を確実に葬る為に選んだ能力だ!」
「ブヒィ!!」
急にデブの悲鳴が辺り響いた。デブがいたと思われる地点に、トラックの残骸が転がっている。デブはトラックの下敷きになってしまったようだ。
「……この能力は、『この世界へと転移してきた者』を確実に殺す!転移者の天敵であるトラックを空にひたすら召喚し続け、付近一帯へと降り注がせまくる能力だ!だが俺達も転移者なので、この能力を発動させたが最後、例外なく全員またあの世行きだ!」
……なんでそんなアホな能力にしたんだ!もうすでに辺りには、かなりの量のトラックの残骸が転がっている。衝撃と炎による地獄のような光景の中で、自称AKB四天王達もあちらこちらに逃げ回っている。しかし、今度はハゲが空から降ってきたトラックに潰され死んでしまっていた。
このままでは俺も、トラックの下敷きになってしまうのは時間の問題だ。どうしようかと逃げ回りながら考えていると、アーリエが俺の側に近寄ってきた。俺は「自分の側にいると危険だ」とアーリエに伝える。だが、
「かと言って、このまま見捨てる訳にもいきません。なんとか一緒に対策を考えましょう」
と、言ってくれた。
近くでそれを聞いていたプロヴダが、
「僕がアレがどこら辺に落ちそうなのかを教えてあげるよ」
と、言った。プロヴダは目が良いので、上空に出現したトラックが、だいたいどの地点に落下しそうなのかがわかるらしい。一先ずは俺達3人は、俺達と一緒に来てくれていた兵士達に、馬を連れて安全だと思われる場所まで離れていてもらうように指示した。
それから、自称AKB四天王のチビが俺達の側まで近付いてきて、「自分もできれば助けて欲しい」と懇願してきた。「自分はつくづく包子が裏切った事なんてどうでもよかった。だから、能力も復讐する為の物にはしなかったんだ」と訴えている。このまま見殺しにしてしまうのも気が引けるので、仕方なく俺達の側にいる事を許可してやった。
プロヴダが指示する安全な方向へと身を躱しながら、なんとか対策を考え続ける。




