四凶③
それから、相手方がなんか仲間内で揉めだしていた。
「オイッ!なんでお前だけ、そんな能力なんだよ!」
チビが他の3人から責められている。
「だって……、身長が事がずっとコンプレックスだったし……」
「それなら俺だって薄毛をなんとかしたかったよ!」
ハゲがそう言った。これには共感するしかない。
「……まぁ、俺達に能力をくれた神様が『ワシ、けっこう忙しいから』とか言って、あんまり取り合ってくれなかったからってのもあるんだが、腐乱子犬は巨大化したりとかそういう事は出来ないのか?」
ガリがチビに言った。
「……俺の能力は『身長を伸ばす』だけだから、全身を縦に伸ばす事しかできないんだ……」
その後、デブが仲間から離れてもう一度、例の激臭で俺達を攻撃をしてきた。だが、アーリエが風を操る魔法で臭気を集め、それをデブにお返ししたので、デブは自分の臭気のせいでゲ○を吐き悶絶していた。
能力の御披露目が一通り終わり、少しだけ白けた空気が流れていた。丁度良いので、何故自分が彼等から裏切り者だと言われているのか、理由を尋ねてみた。
「……俺達は前の世界に居たときに、『二次嫁』以外の嫁は持たないとの熱い誓いを交わしていたはずだ。それなのに貴様は、こちらの世界に来てそこの美少女達とキャッキャッウフフしている……。そんなの許せるはずがない!」
……そんな理由で俺を裏切り者扱いしていたのか。確かに前の世界でチャットをしていた時に、そんな話をした気もする。だが、それはその場のノリ的な物であり、まさか裏切り者扱いまでされて、殺されそうになる程の事態になるとは思わない。オタクの思い込みはホントに怖い……。
何故、彼等がこちらの世界に来れたのかについても尋ねてみた。
「お前は1人だけ住んでいる所が離れていたが、俺達4人はけっこう地元が近い。そんな訳で4人でたまに秋葉原に集まって買い物をしたりしていた。そんなある日、またみんなで集まって購入した薄い本を読みながら横断歩道を渡っていると、居眠り運転のダンプカーが俺達4人を同時に跳ねていったんだ…」
一瞬、頭にビートルズの『アビィロード』的な光景が浮かんだが、オタク4人が薄い本を読みながらダンプカーに跳ねられそうになっている場面は、あまり絵にならない。
「そして、気が付くとあの世みたいな所にいた……。そこには自分を神だとかいう爺さんがいたんだが、その爺さんから『お前達は天界の手違いで死んじゃったから、別の世界に送ってやるよ』と言われたんだ。爺さんと少しだけ雑談をすると、お前みたいな奴があの世に来た事をポロッと漏らした。『お前がチャットとかに最近現れなくなったのは、実は亡くなってしまったからじゃないのか?』という事に、その時気が付いたんだ。爺さんにお前の事を聞いてみると、お前に与えた能力なんかについても詳しく話してくれた。そこで貴様の裏切りが判明したという訳だ」
……あのピカハゲ、人の個人情報をペラペラと喋っていたのか。あの世に守秘義務とかはないのか?天界のカスタマーセンターにクレームを入れたい。
「……長々と話をしてしまったが、それもここまでだ!今からこの俺の能力で貴様を確実に葬ってやる!」
ガリがいきなり宣言をした。




