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異世界に転移した俺は美少女たちとニャンニャンしたい  作者: 雑草という名の草
第三章 魔王討伐編
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勇者参上!

 ここに来てから約束の三か月が経ったので、迎えにきたフレデリックさん達は俺の変わり様を見て驚いていた。


 馬車の中でアーリエ達と、この三ヶ月の間にあった出来事ついて語り合う。アーリエはフレデリックさんに紹介してもらった魔術師(♂)に、魔法をいくつか新たに教わったそうだ。威力の方も少しはマシになったらしい。魔術師はかなり変わった性格の人みたいで、教わるのにはなかなか苦労をしたそうだ。魔法を教わる以外にも、家事全般をやっていたらしい。

 プロヴダは家でフレデリックさんに稽古を付けてもらっていたそうだ(マーチ家の女性で戦うのが好きなのはプロヴダだけみたい)。

 俺の事についても尋ねられた。俺は遠い目をしながら、「色々あった……」と答えた。


 それから数日が経ち、とうとう魔王城へ行く日がやって来た。魔王城の付近はけっこう寒いらしいので、ちょっとだけ厚着をして行く。プロヴダもいつもよりかは、まともな格好になっていた。馬は今回は邪魔になるのでマーチ家に置いていく。

 魔王城がある山の麓には、城を見張る為の監視所があり、『戦士の国』の戦士がいつもそこに何人か滞在している。そこで一泊させてもらってから、山を登って魔王城まで行く。

 山では魔物と遭遇する事もなく、目的地まで辿り着いた。魔王城の周りには城壁のような物はなく、建物が剥き出しで立っている。城は形が(いびつ)で、確かに人間の建築物だとは思えない。なにかの怪物の石像や、禍々しい彫刻があちらこちらにある。

 城の高さは四階建てのビルぐらいの高さはありそうな立派な建物だが、所々に崩れている部分があり、補修をしたような後もあった。辺りの風景の寂しさも相まって、潰れたテーマパークを思い起こさせた。

 魔王城の正面のデカい門を手で押してみると普通に開いた。いくら魔王の城だからといって、そのまま勝手に入っていくのも少し気が引けたが、プロヴダはそんな事は気にせずに、先頭をきってズカズカと中に入っていった。

 プロヴダの後を、こっそりと忍び寄るように付いていく。玄関を過ぎると中は、高い柱が左右に佇立するホールになっていた。

 照明の火が灯っているが、薄暗い中をプロヴダは躊躇せずに進んでいく。すると柱の陰から俺達が入ってきた事を察知したのか、身長3メートルはありそうな牛の頭をした身体は人の魔物が、巨大な斧を持って現れた。

 牛頭の魔物(ミノタウロス)は、斧を頭の上に振り上げ、いきなりプロヴダに向かって振り下ろしてきた。プロヴダはそれをギリギリで(かわ)した。

 素早く呪文の詠唱を始めていたアーリエは、例の炎の塊をミノタウロスに向かって飛ばした(前より詠唱が速くなっている気がする)。炎の塊はミノタウロスの頭に直撃した。

 倒れこそしなかったが、ミノタウロスは片方の手で顔を覆い(ひる)んでいる。そこを逃さずプロヴダは、ミノタウロスの片足を斧で斬りつけた。だが斬撃は足の表面を傷付けただけで、深くは(とお)っていない様だった。

 ミノタウロスが今度はアーリエに襲いかかろうと、そちらに向かって突進してきた。側にいた俺はアーリエの前に「スッ」と出る。

 今こそ、『戦士の穴』での訓練の成果を見せる時だ。俺は腰に携えた聖剣をスラリと抜き放ち、前へと構えた。

 すると聖剣にある異変が……!

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