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実食!

「それでは審査員の方々に、料理を実食していただきましょう!」

 レポーターがアナウンスした。

 まずは先に出来上がった俺達の料理から食べてもらう。続いて相手チームの料理を実食だ。


 結果、俺達が勝利した。

 審査員全員が俺達のチームの札を上げた。正確には札を上げたのはファディールちゃんと神官服の人だけで、貴族っぽい人は俺達のチームの料理を食べた瞬間、あまりの美味しさにアヘ顔でダブルピースをしたままブッ倒れ、そのまま担架で運ばれていった。

 審査員達が実食をした瞬間、服が弾け飛んだり、恐竜が隕石で絶滅したりするなどの演出が入ったが、とにかく料理対決は俺達の勝利で終わった。

 勝因はコカトリスの肉が、ヤバい薬レベルで美味かったからだ(俺もアーリエが練習で宿の厨房を借りて作ったときに食べさせてもらったが、服が弾け飛んだ後に貴族っぽい人と同じ事になった)。


 あの後、対決が終わったので観客達の大半は去っていった。

 まだ残っているエルクレール達が、地面に突っ伏して悔しがっている。

「別に料理の腕で負けた訳じゃないんだからね!コカトリスの肉が美味し過ぎただけなんだからね!」

 コカトリスの肉(特に頭の鶏冠の部分)は、なかなか手に入らないレアアイテムらしい。王都でも美味すぎて危険なので、禁制品になったみたいだ(アーリエが食べたときは、まだそうではなかったのかもしれない)。

「じゃあ、なにしてもらおっかな〜?」

プロヴダがニヤニヤしながら言っている。俺は少しだけエロい事を考えたが、「任せる」とだけ言い黙った。

「う~ん、裸で逆立ちをしながら町を一周……。うぅうん、裸で薪を背負わせてそれに火を着けて町を一周……」

 けっこう酷い事考えてるなぁ。エルクレール達が青い顔しながら怯えている。

「……これからは真面目に町の為になる事をしてください」

 アーリエからの真面(まとも)な意見が出た。そちらの方がプロヴダの罰ゲームをさせるよりか、はるかにマシだろう。

「アタイ達はこれまでも、ちゃんと真面目にやってたよ!そこのアンタがアタイの手下を痛ぶってくれたから、こんな事になったんじゃないか!」

 エルクレールがいきり立って言った。どういう事だ?

「いきなり人の肩に手を置く方が悪いんだ!どうせ、変な事するつもりだったんだろ!」

 どうやらあの時プロヴダが、ゴロツキ達の一人をいきなりブチのめしたらしい。肩に手を置いたのがその理由だった。ゴロツキ達は実は町の自警団のような事をやっており、市場で変わった格好の少女が一人で歩いていたのを見掛けたので声を掛けたという。話を聞くかぎり、プロヴダの方がイカれているように思われる。


 一応、市場の人達にエルクレール達の事を聞いてみた(聞いたのは主にアーリエだが)。

 エルクレール達は町の自警団をしていると言っていたが、実際は町から頼まれてやっている訳でなく勝手にやっているらしい。しかも店からみかじめ料みたいの物まで徴収していくので嫌われていたみたいだ(ゴロツキ達の見た目がアレなので、怖くて言いなりになっていたらしい)。

 それを聞きエルクレールはショックを受けていた。彼女は周りの評判に気が付いていなかったようだ。

 エルクレールはこれからはちゃんと町の組合と話あって活動を行うか、いっそ自警団は解散して自分達でなにか商売を始めるかを考えてみると約束した。

 まだ残ってくれていたファディールちゃんに、その約束の証人になってもらう。「約束を破れば町からの追放もあり得る」と、ファディールちゃんは脅した。

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