コカトリスを狩りにいこう!
なんだかよくわからないままに、『料理対決』をする事になった。
俺も何故か参加しないといけなくなり、賞品にまでなってしまっている。エルクレールは美人でナイスバディな女性だが、もし料理対決に負けて賞品として受け渡されてしまうと、どんな目に合わされるのかわからない。最悪、命を失ってしまう危険性もあるのだから、考えると気が滅入ってしまう。
そんな事を気にしているかのような様子もなく、アーリエとプロヴダは……。特にプロヴダが張り切っていた(料理できない癖に)。
宿に帰るとアーリエが、「勝負で作るメニューについて考えたい」と言って、部屋に籠もった。
俺達はする事がないので、プロヴダは宿の裏手にある庭で斧を振り回し、俺は側でそれを眺めていた。プロヴダは斧を凄い勢いでビュンビュンと振り回している。そのうち俺にも「斧を触ってみないか?」と聞いてきた。試しに斧を持たせてもらうと、重過ぎて構えるのがやっとだった。この娘はどんな腕力をしているのだろうか?
それから部屋に戻るとアーリエが、「料理対決のメニューが決まりました」と言った。メインにする料理は、『コカトリスの肉のバジルソース和え』にするのだと語った。前にこの国の王都にあるレストランで、食べた事がある料理らしい。今まで食した料理の中では一番美味しかったらしく、「自分がどこまでその味を再現できるかわからないが挑戦してみたい」、と意気込んでいた。
しかし、バジルはわかるのだがコカトリスの肉?コカトリスってあの、鶏の化物みたいなモンスターだろうか?そんな肉が売っているなんて、異世界の市場は流石に違うなぁと思ったが、町の市場でもコカトリスの肉なんか売っていないらしい。ならどこで手に入れるのかというと、町から南の方へ行った所にある森の中に沼地があり、そこにコカトリスが生息しているのだと言う。
つまり、自分達で獲りに行くという事だった。コカトリスなんて、そんな簡単に狩ったり獲ったりできるようなものなんだろうか?でも俺以外の2人がいれば、なんとかなるのかもしれない。
翌日、さっそくその沼地へ行ってみた。
沼地がある森までは歩きで半日程かかる。ちょっと前の俺なら、それだけでも顔面蒼白になるぐらい疲れていただろうが、以前よりか体力が付いたのか、そこまで疲れは感じていなかった。森の中には木が密生していて生えており、薄暗くなっている。変な鳥の鳴き声も聞こえてきて、ジャングルの中を歩いているかのようだ。俺とプロヴダはアーリエに従い、先を進んでいく。
しばらく進むと森が切れ、目の前には沼地の光景が広がった。沼地の広さは俺の目の前から見て横幅が30メートル程ある。周りは開けており、足元の草地が湿っている他は動きにそんなに支障はない。沼の表面からはたまにポコポコと泡が出ており、なんだかオドロオドロしかった。この沼に嵌まってしまうと自力で抜け出す事は、ほぼ不可能に近いらしいので気を付けなければならない。
周辺を様子を窺ってみたが、特に何も見当たらなかった。
しかし、森の方から「ダッダッダッ」というなにかが連続する音と、草木をかき分けるような音が同時に響いてくる。音の正体が森の中から飛び出してきた。
俺の想像よりもデカい鶏のようなモンスターが目の前に現れた!




