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紅孔雀のエルクレール

 時間を少し逆上り、とある街角の一軒家で──


「このハゲーッ!」

 バチーン!プロヴダにやられたハゲたゴロツキが、誰かに平手で頬を叩かれていた。叩かれたハゲは、まるで乙女のように床に倒れ込む。

「小娘にやられるなんて、恥ずかしいったらありゃしないよ!もう町の往来を堂々と歩けないじゃないか!」

 ハゲたゴロツキ以外のプロヴダにやられたゴロツキ達も、倒れているハゲたゴロツキの後ろに立ち並び、申し訳なさそうな顔をしていた。

(あね)さん!もう一度だけチャンスをください!次こそ、あの小娘をギッタンギッタンにしてやります!」

 ハゲがそう言って、姐さんと呼んだ人物の足元に(すが)り付く。

「うるさいんだよ、このハゲ!手も足も出ずにやられたっていう話じゃないか!引っ込んでな!」

 ハゲたゴロツキが項垂(うなだ)れた。

「こうなったらアタイがなんとかするしかないねぇ……。この『紅孔雀(べにくじゃく)』のエルクレール様が……」

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