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異世界に転移した俺は美少女たちとニャンニャンしたい  作者: 雑草という名の草
第二章 旅立ち編
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ザ・ファイター

 周囲がザワついている。俺達も悲鳴が起きた方へ行ってみた。

 悲鳴が起きたと思われる市場の通りの中心では、『ザ・ゴロツキ』といった感じの男三人組と、一人の少女が立っていた。少女の背丈は、三人組の真ん中のデカいゴロツキの腰の高さぐらいまでしかない。くすんだ深緑色のマントを羽織っている。

 ゴロツキ達の特徴だが、さっきも言った真ん中のデカいハゲたゴロツキ、その正面にいる少女から見て右側に角刈りのゴロツキ、ハゲたゴロツキを挟んで左側に長髪のゴロツキ、といった感じだ。真ん中のハゲたゴロツキだけが飛びぬけてデカく(身長は2メートルぐらいはありそうだ)、筋肉もムキムキでヤバそうな雰囲気だ。

 ゴロツキの足元にはゴロツキみたいな奴が、もう一人転がっていた。

「てめぇ!よくも俺の仲間に手ぇ出しやがったな!」

 真ん中のハゲたゴロツキが言った。

「そいつが僕の肩にいきなり手を乗せてきたからだ!」

 少女が言い返した。どうやら倒れているゴロツキは少女がやったみたいだ。

「ブッ殺してやる!」

 大人げなくハゲたゴロツキが少女に掴みかかった。少女はそれをスルリと(かわ)し、ハゲたゴロツキの左側にいた長髪のゴロツキの(すね)を思いっきり蹴っ飛ばした。その痛みで下がった頭の顎先に、アッパーカットを叩き込む。長髪のゴロツキがグラリと崩れた。長髪のゴロツキが倒れる前に、まだ啞然としていた角刈りのゴロツキの股間に素早くパンチをいれる。角刈りのゴロツキも前に膝を突き悶絶した。

 少女が一息で、二人のゴロツキを倒して退けたのを見たハゲたゴロツキは、ブチ切れとんでもない形相になった。訳のわからない言葉を叫びながら少女に殴りかかる。少女はそれを躱そうと身構えたが、殴ろうとしていたのはフェイントで、すかさず強烈な前蹴りを食らわしてきた!

 その前蹴りを食らって少女の身体が、真上にフッ飛んだかに見えた。だがそれは少女が羽織っていたマントで、少女は前蹴りを潜り、さっきまでは手にしていなかった何かで、ハゲたゴロツキの軸足を横からブン殴った。ハゲたゴロツキは足を刈られ、後ろ向きにブッ倒れる。

 少女が手にした何かでハゲたゴロツキの頭を軽く叩く。ハゲたゴロツキは泡を吹いて失神した。

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