雷音寺入門
爺さんにいきなり勧誘を受けた。
修行ってなんの修行だろう?
「ここはアッツアツ・チャーハン国でも有名な拳法寺でな。皆、ここで心体を鍛える為、拳法を修行しておる」
エルクレールが確かそんな事を言っていた気はするが、俺が今更拳法を修行してなんになるんだろうか?剣を素振りしてた方がマシな気がするが。
「心体を鍛える為と言うたじゃろう?それに拳法の修行で得た経験は、剣を扱う際にもきっと役に立つはずじゃ」
そういうもんなんだろうか?しかし、爺さんはなんでそんなに、行きずりの俺に拳法を修行させたがるんだろう?
「ここで修行をしていた若い者達は、南にあるゲキカラ・カレー国とこの国の戦に、ほとんど出ておってな。できたらお主も修行を修めた後に、その戦に参加してもらいたいのじゃが……」
どうやら、この国は現在そのゲキカラ・カレー国とやらの侵攻で、かなり追い込まれてしまっている状況にあるらしい。という訳で一人でも多く戦える人間が必要らしかった。
もちろん俺は、他国の人間同士の争い事に巻き込まれるなんて、ノーセンキューだ。
「まぁ、それはいいとしても修行はしてもよかろう。今はどうせ人がおらんでワシも暇じゃしの。それに、他国で勇者と呼ばれるような者が修行をしていけば、寺にも更に箔が付くじゃろうし……ゲフンゲフン。そして、ここで修行を修めればワシから祝いとして、短期間でお主がいた国に帰れる方法を教えてやろう」
そんな方法があるのか!?それが本気なら修行するのもヤブサカではない。ここから一人で旅をして、自分が元いた国まで無事に帰り着く自信なんて全然ない。
「まぁ、まずは中で食事でも出してやろう。昼飯は食っておらんみたいじゃからの」
さっきから俺の腹は、ずっとグ~グ~鳴っていたのだった。




