ここはどこですか?
単純にここがどこだかわからない。
寺の門には漢字っぽい文字で、『雷音寺』と書かれていた。
ここでこうして突っ立っていてもしょうがないので、門の中に入ってみる事にした。
寺は塀に囲まれており、その塀にある門を潜って中に入る。門を入ると、そこには中庭があった。50人ぐらいの集団でラジオ体操ができそうな程の広さがある。地面には石畳が敷かれていた。中庭を真っ直ぐ進んでいき、ここが本堂だろうなと思われる建物の前まで来た。建物まで来て思ったのだが、これだけ広い敷地がある寺にしては、人の気配をまるで感じない。不思議に思いつつも本堂の方に、
「すいませ~ん!」
と、声を掛けてみた。すると中から、
「今、飯時なんじゃが誰かの~?」
と、かなり年老いた男性が現れた。手には茶碗に盛ったご飯と、お箸を持っている。
「何かようかな?」
老人に尋ねられた。老人は裾が足元まである、黄色い道師服のような物を着ている。首からは長い数珠を下げていた。頭はつるっパゲで、顎には長くて白い髭を生やしている。髭には米粒が付いていた。
「すいません、ここはどこですか?」
相手がキョトンとしてしまいそうな質問を投げかけた。とりあえずそう言った後に、自分が置かれている状況を掻い摘まんで説明してみる。
「ほほう、それは大変じゃの。ここはアッツアツ・チャーハン国のワンタン省にある雷音寺という修行寺じゃよ」
……たぶん、ファディールちゃんに送ってもらう儀式の際、何らかの手違いが起きてこんな事になってしまったんだろう。
どうしよう?ここから俺がいた国まで帰るには、どうしたらいいんだろうか?
俺が途方に暮れていると、
「まぁ、これも運命と思って諦める事じゃの。それよりもどうじゃ?せっかく修行をするつもりでおったのなら、ここでちょっと修行をして行かんかの?」




