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夜の訪問者③
その少女の顔は、とても可愛らしかった。
黒髪ロングを頭の左上で結んでおり、少し切れ長の瞳に小さい鼻。そして、白過ぎるくらいに白い肌。アジア系の美少女といった感じだ。
「自己紹介が遅れたが、ワシの名は『サクラコ』。お主が勇者と呼ばれる前に勇者と呼ばれておった者とは、顔見知りじゃった」
少女がそんな話をした。
言っている意味がわからないし、さっきの衝撃からも抜けきれていない俺たちは、まだ呆然としているだけだった。
「あの……。状況がよく飲み込めないんですが、前の勇者様とお知り合いとは、どういう意味なんですか?」
アーリエが、なんとかそう答えた。
「そのまんまの意味じゃよ。ワシはこう見えても五百年前から生きておる、吸血鬼じゃからのう」
……!?今さらっと、とんでもない事を言ったようだ。『吸血鬼』だとぉ……。
「実は頼みたい事があって、ここまで来たのじゃ。その為に、さっき腕試しをもさせてもらったんじゃよ」




