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また、夢の中へ

 ここはまた、()()()()()だ──


「……ガハハハハハハハッ!!そんでなぁ、兄ちゃん!」

 この笑い声は前に夢の中で会った、前勇者のおっさんの笑い声だ。前勇者のおっさんは、あれから俺の夢の中に、たまに現れるようになっていた。

「そこでワシは魔王の奴に()うてやったんや!『魔王!オドレの悪行もここまでじゃい!往生せぇ!』ってな!」

 おっさんはこれでもう何度目かになる、自分のパーティーと魔王との死闘についてを自慢気に語っていた。

 俺はいつものように、「へぇ~」とか「ほぉ~」とか相槌を打ちながら、『早く夢の中から出ていってくれないかなぁ……』と思っていた。

「……あっ、そうや!所で兄ちゃん!自分が死んでもうた、詳しい事情について知ってるか?」

 おっさんが唐突に話題を変えてきた。

「最近、兄ちゃんがいてる世界に、別の世界からやってくる奴が多いと思わへんか?」

 ……確かにそれについては、以前にも少し考えた事がある。俺がこちらの世界に転移させられてきた者に会った回数は、前勇者のおっさんを除くと6回はあったはずだ(4人のオタク仲間とワタナベさん。そして、スメラギ神国の魔王だった田中だ)。こちらの世界に来てからまだ一年ぐらい(こちらの世界のこの国の暦は俺がいた世界の暦とそう変わらないみたいだった。細部や成り立ちは多少違う様だが)しか経っていない事を考えると、頻度は大目の様な気がする。

「実はな……。ワシは神さんと天界(あっち)で、酒を一緒に飲みに行ったりする仲なんやけど、その時、神さんが『実は最近、お前が元居た世界の奴等が、天界(こっち)のミスで、いっぱい別の似たような世界に送られてるんだけど、あれほとんど(わし)のせいなんだよね』って語りだしたんや。なんでも、天界(あっち)で神さんがよく通ってるキャバクラに、神さんが贔屓(ひいき)にしている()がおって、その娘が神さんに『ワタシィ、キャバクラを辞めて、もっとちゃんとした所に就職したんだぁ』っていう、お願いをしたらしい。神さんは『よっしゃ、任しとけぇ!』ってな感じで、自分の権限で強引にその娘を、天界の役所に勤めさせたんらしいんやが、その娘は役所の仕事なんか初めてやから、ミスを連発しまくったらしいわ。上の役職の人間も、その娘が神さんから贔屓されてるの知ってるから、その娘がミスしたからって、あんまり強くは言えん。やから、間(ちご)うて死んでまう奴が、メチャクチャ増えたって話らしいわ」

 マ、マジか……。そんな裏事情があったとは流石に驚いた。そんな雑な理由で俺はこちらの世界に送られていたとは……。

 そんな事情を知ってたら、もっと謝罪と賠償を要求してたんだけどなぁ。

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