平穏な日々
それから、数ヶ月の日々が過ぎていた。
この国の冬に当たるのであろう、寒い時期が一度だけ過ぎ、俺たちも3人で送る共同生活に、かなり馴染んできている。しかし、俺が普段過ごしている場所は、借りた家の前にある近くの小さな小屋で(俺の元いた世界のちょっと大きめぐらいの公園にある、住所不特定の人達が住む『段ボールハウス』程度の大きさだ)。
何故、この国やスメラギ神国を救った英雄であるこの俺が、そんな所で過ごしているのかというと、一緒に生活していたアーリエやプロヴダの事を、チラチラチラチラと盗み見ていたのがバレたせいだった。プロヴダから強制的に、彼女が作ったこの小屋に普段は住むようにと通達された。食事時などになれば、自分たちの家の中に入ってきてもいいと言われている。
以前、アーリエが出店した店の様子だが、繁盛しているとは、とても言い難い。王都でも有名人であるはずのアーリエが出している店なのだが、例の爆発事故のせいで、評判が悪くなってしまっているらしい。場所が風俗街の近くあるので、一般のお客さんが入いりにくいという理由もあった。だが、それでも店には売れ筋と呼べるような商品もあって、アーリエが調合した『強壮剤』がそれに当たっている。風俗街の店に通う常連の客達がよく購入していくらしい。しかし、アーリエの調合した強壮剤は、飲むとたまに頭に血が上りすぎて、ブッ倒れてしまうという副作用もある様だった。
プロヴダは普段「身体が訛る」と言って、体力が必要そうなアルバイトを日々こなしていた。
俺はする事かないので、たまに剣の素振りや読み書きの勉強。それか日がな一日ボ~ッと過ごしてみたり、アーリエの店に行ってはたまにお手伝いなどをしているだけだった。




