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アーリエの冒険②

 しかし、アーリエの父親をその国で見付ける事はできなかった。父親が勤めているはずのお城の門番に、父親が残していった紋章のブローチを見せてみても、「こんな物は知らない」と言われてしまった。更には、「こんな物を見せびらかせていると、町の見回り兵にしょっぴかれるぞ」と脅される始末だった。

 アーリエは仕方なく、父親の行方を捜すのをに早々と諦めた。元々、会った事もない父親の事をそんなに気にしてはいなかったし、父親捜しも名目も旅に出る口実に過ぎないからだった。


 それからもアーリエは、いろいろな地方を巡る旅を続けていた。時には盗賊に(かどわ)かされそうになったり、モンスターに追いかけ回さたりもしたが、その度に持ち前の機転と魔法でなんとかしていた。


 2年後、アーリエがとある村の近くを通っていると、一人の村娘がモンスターに襲われている所に遭遇した。そのモンスターは「チュンチュン」という声で鳴き、襲った相手の血を吸う事が特徴の、『チュパカブラ』というモンスターだった(アーリエはその時、そのモンスターの事を知らなかったが、後で村人から聞いた)。

 チュパカブラをなんとか魔法で追い払うと、それが縁となり、しばらくその助けた村娘の村でお世話になる事になった。

 それからは村人達に請われるがまま、村に居続ける事になった。流浪する事にも少し疲れを感じていたアーリエには、丁度良いタイミングだ。村で滞在をする為に、昔一人の偏屈な老人が住んでいて、今は誰も住む者がいない、村から少し離れた場所にある家を貸してもらう事にした。村から離れている事は、魔法の実験を行うのにはむしろ都合が良い。


 そして1年が過ぎ、その環境にもだいぶ慣れた頃、村で作物などを分けてもらい、馬が曳く荷車であの助けた村娘(村長の孫娘でアーリエと同い年)と一緒に、自分の家まで乗って帰っていた所、森の中の道の上で怪しい人物が倒れているのを見付けたのだった。

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