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14歳の肖像

 母と私は父の帰りを待つ為に、村外れの小屋にずっと住み続けていた。父が去ってからは、母と村のエルフ達との関係も多少は改善され、小屋は住みやすくなるように改修された。祖母からの援助なども受け取りながら、2人で父の帰りを待ち続けていた。


 私は何事もなく成長していった。長命なエルフ族は人間からすれば、10年に一歳ぐらいにしか、年を取っていないように見えるのだが(子供時代のエルフの成長速度は早く、10歳ぐらいまでなら、人間の成長速度とそれ程変らないが)、やはり人間とエルフとのハーフである私は、純粋なエルフとは違い、人間の成長具合とかなり似ていた。

 エルフは長寿なのであまり生殖する事はなく、村の子供も私以外だと二人しかいない。成長が早かった私は、その子供達とすぐに遊ぶ事を止め、祖父の家の書斎に入り浸り、そこのあった蔵書を読み(ふけ)る事が多くなっていた。祖父の家にはかなり数の書物があり、特に魔法などに関する物が多かった。


 それからまた数年の月日が経ち、私は14歳になっていた。あれからも父は村には現れず、消息もまったくの不明だ。母も私に父の事を話さなくなっていた。

 私は成長する従い、祖父の書斎で読んだ書物の知識と、村で魔法が使える者から聞き出した情報を元に、村外れの家に建て増した実験室において、魔法の実験を行っていた。時に実験が失敗して爆発を起こし、村のエルフ達から危険視される事もあった。だが私はそんな事を気にする事なく自分の研究に没頭していた。もしかすると、村で唯一のハーフエルフであるという事で、他のエルフ達から余所余所しさを感じていた事を、魔法の研究に没頭する事で紛らわしていたのかもしれない。

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