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脱皮

「僕の()()を治してください!」

 俺がずっと気にしていた事を治してもらえるようにお願いしてみた。寒い日も暑い日も年柄年中、皮を被っている俺の息子は、持ち主に似て生粋(きっすい)の引きこもり体質だった。

「そんな簡単な事でいいのか?財宝の在処(ありか)を探りあてる能力とか、任意の異性の性欲を増大させる能力とか、いろいろあるのだが……」

 包茎の気持ちは包茎にしかわからない。この皮被りのせいで、女性関係にも奥手になってしまっている気がする。衛生面でもあまり良い事はない。やはり自信という物は、己の皮を破ったときに付くものだと考えている。

「わかった。では、望むとおりにいたそう」

 淫魔王は胸の前で両手を合わせ、指で三角を作り、呪文を唱え始めた。しばらくすると気合を発し、俺の前に両手をかざした。

 すると、俺の股間がなにやらモゾモゾとし始めた。

「ぬおおおおおっ……!」

 あの男にしかわからない、皮膚の下が剥き出しになったような、鋭い痛みが股間に走った。俺は股間を抑えながら、海老反りなっている。

「これで大丈夫なはずだ。それでは、できればまた会おう!さらばだ!」

 淫魔王が別れの言葉を言い、住んでいる森へと帰っていた。

 俺は海老反りのまま、遠ざかる彼の姿を見送っていた。

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