Awaken ―目覚め―
ここは王都とそう遠くは離れていない森の中――
覆い茂る木立の間に、飛びぬけて大きな樹が、一本だけニョキリと生えている。優に千年は越えていそうな樹齢を持つその大木の根元に、どこにでもありそうな木製の扉が取り付けられてあった。その扉を開くと中は広くはないが狭過ぎもしない、普通の部屋になっており、家具なども備え付けられてある。部屋の隅にはベッドも置かれてあり、そこでは誰かが眠りに着いていた。
ベッドで睡眠中のその誰かは、ナイトキャップを頭に被っており、健やかそうに寝息まで立てていた。その内、何度か寝返りをした後大きな伸びをして、ベッドから半身をムクリと起こした。「ふあぁ……」と、大きなアクビをし、
「よく寝たなぁ……。100年ぐらいは寝てたのかなぁ……」
そんな嘘か本当かもわからない事を独り言ちていた。
――あの爆発が起きてからアーリエは、別の場所に店を構えることになった。
今度は前の店よりもこじんまりとした店で、場所も裏通りの人目にあまり付かなそうな所にあった(俺が前に行った風俗街に近い場所だ)。店が吹き飛んでしまったせいで予算がなく、そんな場所にしか店舗を借りることできなかった。
それから俺も城を出て、市街地で暮らす事にした。アーリエの店に近い場所に家を借り、そこで俺とアーリエとプロヴダの3人で暮らす事になった。家は二階建てで広さはは、アーリエが俺と最初に会ったときに住んでいた家と、そんなに変わらない。王都でこれぐらいの家に住めるのは、まだ裕福な方だ。




