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新ノ進
将軍との謁見の後、控えの間で徳田さんと会っていた。
「兄上がいろいろと迷惑をかけて、すまなかった。この国の恩人である貴殿等をオエドから追放してする事になるとは、誠に心が痛む。だが、某に免じて是非堪えて欲しい」
徳田さんはそう言ってから、頭を下げた。
別にオエドにはもう来ないと思うのでいいのだが、国を救った英雄に対する仕打ちではないと思う。国のトップ層がこれでは将軍家もあまり長くは続かないのではないかと、秘かに思ってしまった。しかし、それにしても徳田さんがあの将軍の弟だったとは。全然似ていないので、まったく気が付かなかった。徳田さんは将軍の弟といっても役職がある訳ではなく、部屋住みなのでいつも暇をしているらしい。なので普段は身体を鍛えるか、市中をブラブラしているかだという。知り合いである大門さんの家を訪ねたときに、俺達の話を聞き今回の戦いの参加を希望したのだと話した。
話の最後に徳田さんは、
「皇家に気を付けろ」
と、言っていた。




