決着!
前勇者のおっさんは、こう語っていた。
「カニカニモグモグはワシが食べた幾百、幾千の蟹の殻を、有名なドワーフの鍛冶師が束ねて作ったもんや。蟹の怨念がつまりしその剣ならば、あるいは……」
『さぁ、決着の時だ!頼むぞ、カニカニモグモグ!』と気合を入れ直し突進したが、
「……ンッ?か、躰がおかしい!どういう事だ!?」
と、前方にいる魔王が急に苦しみだした。俺は急ブレーキをかけて途中で停まった。どうしたんだろう?
「こ、これはま、まさか……、『アレルギー症状』!まさかワタシに蟹の毒を盛ったというのか!?」
田中宏さんはまさかの甲殻類アレルギーだった。田中さんは呼吸ができなくなってしまったようで、苦しみながらその場で「ドウッ」と倒れた。俺は意外過ぎる展開に、ただただ呆然としている。
「ワ、ワタシが滅んでも、コヒューコヒュー。だ、第ニ、第三の魔王が……」
魔王ダーク・ルシファーは、その台詞を最後まで言い切れずに息絶えてしまっていた。
予想外の結末に、どうしていいのかわからず、剣を握ったまま呆然と突っ立っていた。だが、全身を巡っていたエネルギーは直後に、「プスン」といい途切れてしまった。
とりあえず魔王は亡くってしまったので、俺達の勝利なのは間違いないだろう。




