ハイパーキモオタタイム
「それではワタシの真の力を見せようか……。ワタシに歯向かった事を、あの世で後悔するがいい!」
魔王が攻撃を止め、顔を下に傾け両腕の下腕をその前に置き、中腰の状態なった。隙だらけになった魔王に、仲間達が攻撃を加える。だが、攻撃は全て弾かれてしまっていた。数秒後、魔王は上を向き、雄叫びを上げた。魔王の躰が、目も眩まんばかりの輝きを放ち始める。光が消え去った後には、全長が五メートルはありそうな、巨大な化け物の姿があった。角を生やしたライオンに似た頭を持ち、蝙蝠のような羽を四枚も生やした、二本足で立つ化け物だ。全身は茶色い薄い体毛で覆われていた。
「グハハハハハハッ!これがワシの真の姿だ!」
それからの魔王の攻撃は凄まじかった。まるで、一ターンに三回は攻撃してるんじゃないかという程の凄さだ。前衛の三人は魔王からの連続攻撃を喰らい、すぐに戦えなくなってしまっていた。ワタナベさんも遠距離から魔法の炎を喰らっていた。自衛隊で使っている盾で、なんとかそれを防いでいたが、後に吹っ飛ばされ気絶している。
残っているのは、俺とアーリエだけになってしまった。これが将軍家の軍勢相手に無双していた、魔王の真の力なのかもしれない。しかし、俺にはまだ切り札が残っている。それは夢に出て来た前の勇者のおっさんに教わっていたやつだ。前勇者のおっさんはこう語っていたのだ。
「……実はカニカニモグモグはそれを扱う者が強ければ強い程、真の力を発揮していく仕様なんや。兄ちゃんは単純に弱いから、カニカニモグモグは只の普通の剣みたいになっとるって訳やな。剣を抜いて、か〇〇楽のテーマが流れたら第一段階突破の合図で、多少強くなっとるはずなんやけど、兄ちゃんはそれから全然戦わかんかったから気付かんかったみたいやな。まぁ、今から魔王クラスの相手と戦ってもまず勝てるはずはないから、カニカニモグモグに設定したといたある裏技を教えといたるわ。ピンチになったらカニカニモグモグを前に構えて、『スパーキング!』って叫んでみい。そしたら、ちょっとの間だけパワーアップできるんや。緊急時の安全装置みたいなもんやから、多用したら身体に負担が掛かって、死ぬ可能性もあるから気を付けえよ」
今がそれを使う時だと判断した俺は、カニカニモグモグを両手で正眼に構え、
「スパーキング!!」
と、叫んだ。
……しかし、何も起こらなかった。『もしかしておっさんのジョークだったんじゃないのか?』と思い焦りだした時、俺の身体から黄金色のエネルギーが噴き出し始めた。
身体から迸るエネルギーにより髪の毛が逆立っている。俺のテンションも一気にマックスへと上がっていた。
さぁ、いくぞ!魔王!最終ラウンドだ!




