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第6話 魔王様の自己分析

本作品でも、評価、ブックマーク頂きました!ありがとうございます。

とっても感激です!どんどんやる気出して行きますよ~

これからもよろしくお願い致します。

(あ~、ちょっとやりすぎちゃったかなぁ・・・)


自己嫌悪に陥りながらトボトボと歩いている魔王様。

獅子王ダルカスを駄犬呼ばわりしボッコボコに鉄拳制裁してしまったので

居心地悪くその場をそそくさと去り、とりあえず自室に向かっていた。


「それにしても・・・」


魔王は呟く。その続きは口に出さず、心の中だけにしておいた。


(ステータス、確認しておいてよかったぁ)


魔王は心底安堵していた。



・・・・・・



時は少し遡る。


大会議室にて戦争肯定派を論破し、新たな対策を立てる会議のために資料を用意しろと指示を出したのだが、資料の準備が出来るまで少し時間がかかるとのことで休憩をはさむことにした。

メイド長のメリッサが俺を自室に案内してくれたので、ひと息入れる事にする。

てか、やっぱり魔王様専用の個室あるのね。


俺は自室の壁に飾られた大鏡をとりあえず見る。


真っ黒の体。吊り上がった目と口。耳も尖っている。

問題なのは体が漫画のようにシルエットっぽいことだ。


「どーなってるんだ、コレ?」


まったく理解できない。他の連中は獣人だったりサキュバスっぽかったり、いろいろだがちゃんと形がある。なぜに俺だけ漫画っぽい?


うーむ、メリッサに聞くか? しかし、あまりに馬鹿っぽいことを聞くと俺様が魔王様の偽物とか思われて吊るし上げられても困る。


「こういう時はステータスだろ、異世界と言えば」


俺は異世界モノの定番を思い出す。


「ステータスオープン」


ブンッ!と音がしたかと思うと、正面に半透明っぽいスクリーンが登場する。


「おおっ!」


ホントに出たよ、ステータス。なになに・・・


名前:戸隠とがくし 新太あらた

年齢:18歳

職業:魔王


<エクストラスキル>

魔王の威圧

魔王の威厳

魔王の外套

魔王の翼(収納可)

魔王の外観(魔王外観、真正形態、人間形態)


 魔王外観:

黒マントと目、口のみのシルエットとなる。

手も伸ばすことが出来る。

この形態の場合、能力が一部制限される。

但し、物理、魔法ともに攻撃されても無敵の状態となる。

偽の心臓をセットしており、貫かれると

心臓がつぶれたように演出することも可能。

この形態の場合、勇者の一撃も無効化される。


 人間形態:

角も翼も格納、人間と大差ない恰好となる。

鑑定等のチェックが入ってもS級の偽装がかかり見破られることはない。


 真正形態:

魔王の真の姿。能力のすべてを開放できる。


無限心臓(絶対に傷つかない心臓、但し勇者の一撃は除く)

魔王の反射(魔法攻撃を意図的に反射する。自動反射ではない。但し勇者の一撃は反射不可)

絶対無敵防御(意識下においてすべての攻撃を無効化する。物理、魔法を問わない。但し勇者の一撃は除く)




えぇ・・・。


とりあえずレベルとかスキルとか置いておいて基本内容とエクストラスキルだけでもとんでもない。

なんかすっごいチート臭いんですけど。

挙句、但し勇者の一撃は除くが怖すぎる。

すごい無敵だけど、勇者に襲われたらあっさり殺されるという、何だコレパターンだ。

勇者対策は急務過ぎるだろ、コレ。


それにしても、戸隠新太の名前はそのままなんだ。・・・魔王って職業なのか?

俺の本名、戸隠新太(とがくしあらた)。18歳。高校3年生。・・・だったというべきか?

確か、夏休みだったと思う。気が付いたら魔王になって、あのバルコニーにいたんだよな。前の世界と言っていいのか・・・、地球にいた時の直前の状況がはっきり思い出せない。

別にラノベの定番にあるようなトラックに轢かれた何てことも無かったと思う。

自分が死んだという記憶はない。もっとも高3まで生活してきた記憶はちゃんとあるし、両親や妹との記憶も持っている。・・・何で魔王様なんかにテンセイしたんだろう?

神様とやらが仕組んだのなら、ちゃんと説明して欲しいものだ。



・・・まあ、勇者対策はとりあえず置いておくとして、なんとか外観を整えられないか?

とりあえず魔王外観の他の2つを試して見よう。まずは人間形態。


一瞬体が光ったかと思うと、鏡の前には高3だった自分の姿が。

ただ、着ている服は学生服ではない。こちらの世界の服のようだ。

ちょっと精悍さが増しているような気もしないでもないが、自分と言えば自分だ。それほど違和感はない。身長も176cmだった時と変わっていないようだ。先の魔王外観からするとちょっと縮んだように見えるかな。


(この姿で出歩くのはまずいよな・・・)


この姿は人間にしか見えない。見つかったらソッコー拿捕だ。危険すぎる。


(しからば・・・)


やはりここは真の姿も確認せねばなるまい。真正形態を試して見よう。


今までよりも強い光が一瞬包み込んだかと思うと、そこには真の姿をさらした魔王・戸隠新太が鏡に映っていた。


「うわっ・・・」


背中に大きな4枚の翼を広げ、頭の左右から銀色に輝く角が生えていた。

皮膚の色は若干濃い目かな? 少し日焼けしたような印象に映る。


それ以外で大きく人間形態の新太と違う部分はない。


「角と翼に驚いたけど、違いはそれだけか・・・」


この状態でも翼を格納できるようだ。翼を消すと、代わりにマントが自動的に装備された。

今気づいたが、この姿だと鎧を着ている。軽くて違和感が無かったから最初気が付かなかったくらいだ。

でも、この姿なら多少は威厳が出ているような気もする。


いや、今変更しちゃうと、それはそれでマズいのか?

魔王の真の姿を「戸隠新太」の格好で出していいのか、判別がつかない。

今までの魔王が事前に別の姿を見せていると厄介だ。

もちろん人間形態などもっての他だ。

それとなくメイド長のメリッサに探りを入れておかねば。

とにかく「お前誰だよ」だけは避けなければならない。


普段は魔王外観を維持しておこう。能力が制限されていても無敵なんだしな。


勇者対策に続いて、外観までも先送りし、俺はとりあえず準備が出来たと呼ばれるまで自室でのんびりお茶を飲んで多少現実逃避することにした。コレ、夢であってくれないかな~~~


他にも投稿しています。


転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?

https://ncode.syosetu.com/n2026ew/


ドラゴンリバース 竜・王・転・生

https://ncode.syosetu.com/n1684ew/


よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。


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