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第55話 その命、俺が貰い受ける!

更新が大幅に遅れて申し訳ありません。


グランリスタの敗北により、完全に意気消沈する黒衣の騎士団。


「ま、まさか・・・グランリスタ将軍が・・・」


呆然とするコルネリアス。


「これで、俺達の命運は決まったってことか・・・」


第一試合で負けているソードレイが力無く呟いた。


ぶずぶずと若干の煙を上げて倒れているグランリスタに回復魔法をかけるよう目配せする新太。

新太の視線に気づき、セーラは<大いなる癒し(ハイ・ヒール)>を唱えた。


「ぐ、むう・・・ワシは破れたのか・・・」


グランリスタの意識が戻り、目を覚ます。


「将軍!」

「グランリスタ将軍!」


コルネリアス副将たちがグランリスタ将軍の周りに集まる。


「すまぬな、お前たち。お前たちの期待に応えることは出来なかった」


「そんなこと!」


副将のコルネリアス目に涙を浮かべて首を振る。


「魔王新太殿よ。その力感服仕った。出来れば、今回の一騎打ち、ワシの首一つでどうにか納めて頂くことは出来ぬであろうか?」


そう言って佇まいを直したかと思うと、深々と土下座をする。


「やめてください将軍!」

「将軍のお供をする覚悟は出来ております!」

「我らの命こそ捨て、なにとぞ将軍だけは!」


口々に声を上げる黒衣の騎士たち。


「俺はお前たち全員の『命』をもらう、そう宣言したはずだ!」


シン、となる一同。

どうやら魔王に慈悲はないようだ、誰もがそう思った。


「新太様・・・? まるで物語の熱血主人公の様に拳を掲げて、お前たちの命をもらう、なんて気合い入れてますが・・・それを言うならば、お前たちの命を俺に預けてくれ、の方が意味は伝わるのでは?」


少し呆れたようにドーラが微笑みながら新太を諭すように伝える。


「・・・預ける?」


グランリスタ将軍が怪訝な表情を浮かべた。


「あれ? この前読んだ羊皮紙の小説には、お前らの命を俺にくれ、とあったが・・・」


魔王新太が首を傾げる。


「それは心身ともに深く信頼あった部下たちだから命をくれと言われて、そこまで自分たちの力を必要としてくれるのかと感動するのですわ。今の新太様は初見のグランリスタ将軍様方と一騎打ちと言う決闘を行ったわけですから、お前たちの命をくれ、は文字通りお前たち死んでくれ、と言っているようなものですわ」


溜息を吐くドーラ。


「あれ?俺なんかしくじった?」


「と、言う事はやで・・・」


ザグレブの目が光る。


「うむ、魔王殿は・・・」


ソードレイも頷く。


「どういう事なんだ?」


副将のコルネリアスはピンと来ていなかった。


「か~~~、副将は鈍いでんな。魔王様はワイらを部下に欲しいと期待してくださってるんですわ」


「な、なにっ!?」


「まあ、そう言う事だろう。まさか、俺達をそんなに買ってくれているとは思わなかったがな」


腕を組みながら目を瞑り、ふう、と息を吐くソードレイ。内心、ホッとしていた。想像以上にうまく事が運びそうな雰囲気になったと。


「そ、それでは・・・」


グランリスタが顔を上げる。


「グランリスタ将軍。ぜひとも魔国(ウチ)に来てくれないか?将軍の力を役立てて欲しい。部下たちも全員一緒に面倒を見るよ」


魔王新太はそう言って手を差し出してきた。


「よ、よろしくお願いする・・・」


グランリスタはその手を、そっと、だが力強く握った。





「やっと着いたのです~~~」


見れば翼を羽ばたかせたハーピィの脚に掴まれた少女が地面に降り立った。


「魔王様、魔法師団第二軍所属のリリア、到着致しました!」


シュタッと敬礼ポーズで到着を連絡するリリア。


「やあお疲れさん。ちょうどいいタイミングだったよ」


そう言ってリリアの頭を撫でる。

このリリア、<異空間収納(インベントリ)>の使い手である。それも内包魔力の多いリリアはかなりの分量を収納することが出来た。


「今準備致しますね!」


ドズーン!


ちょっと空中に出したせいか、地面に落ちた際に地響きが鳴る。


「まだまだ持って来ましたよ!」


そう言って大きなゲージをいくつも出す。


「こ、これは・・・」


「これは君たちを魔国に運んでくれる箱だよ。君たちは人数も多いし、ワイバーンの背中に乗りたいなんて思わないだろ?」


コルネリアスの疑問に答える新太。


「この箱で?」


「ワイバーンに担いでもらうんだよ」


「わわわ、ワイバーンに!?」


びっくりしているコルネリアス達。


「何、背中にでも乗りたいの?」


「い、いやいや、そういうわけではないんだが・・・」


俺がコルネリアス達と話していると、誰かの羽が俺の頭を包むように触れた。


「何じゃ、妾を無視しおって。愛しの新太殿のためにこの小娘を運んで来たと言うに、この小娘の頭は撫でても妾の羽は撫でてくれぬとは・・・その内ぐれてしまうのじゃ」


「どこでそんな言い回し覚えて来るんだよ・・・」


嘆息する新太。


「ちょっと!ダリアさん!?あまり新太様にべたべたするのはどうかと思うのですわ!」

「そうだぞ!節度というものが大事だぞ!節度というものが!」


ドーラとセーラが共に口をそろえて新太の背後に回って頭を羽で包んでいるハーピィに文句を言う。


「何を言う。妾は新太殿の命令しか聞かぬわ!ハーピィクイーンの矜持に掛けてもな!」


ハーピィクイーンのダリアは器用に羽の先でアカンべーをする。


「キィィ!」

「ぬうっ!」


ドーラとセーラが色めき立つ。


「勝利おめでとうございます、魔王新太殿」


そう言って姿を見せたのはソルテア国の国王シュヴァルツ・ガルム・ソルテアであった。


「おお、シュヴァルツ殿、ご壮健そうで何より」


「堅苦しい事は抜きですぞ。さあ、戦勝祝いと行きましょう。大したもてなしも出来ませんが、宴を催しましょう」


そう言って笑顔で歓待してくれる。


「お心は嬉しいのですが、彼らのこともありますのでね。これからすぐに移動します。宴はぜひゲルダーとゲルリックたちと楽しんで頂ければと思います」


そう言って残念そうな表情で頭を下げる新太。


「おお、それは残念ですが、お忙しい魔王様をお引止めするのも申し訳ない。宴は次の機会にぜひ」


そう言って次にゲルダーやゲルリックを労い出す国王。新太は本当にゲルダーやゲルリック達オークがソルテア国に受け入れられたと感動していた。


その一方でドーラやセーラは黒衣の騎士団を大きなゲージに分かれて乗る様指示を出していた。


「さあさ、乗り込んで下さいまし!」

「ちゃっちゃと乗るのだ!ちゃっちゃと!」


ドーラやセーラにケツを蹴られたり押し込まれたりしながらゲージに乗り込んで行く騎士たち。


「ホンマに大丈夫なんやろな・・・」


ボヤくザブレグだが、ワイバーンが長い首を回してザグレブ達を見るとニコッと笑った。


「ホッ・・・ホンマに大丈夫なんやろな!」


出発前から騒がしいザグレブ達だった。


今後とも「まおテン」応援よろしくお願いします!

(自分で愛称呼んでます(苦笑))

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

他にも投稿しています。


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