第54話 魔王新太 VS 将軍グランリスタ
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将軍グランリスタはその圧倒的な技量により二人の部下が撃ち負けたことに少なからず衝撃を受けていた。
先に戦った、セーラと言う女剣士と戦えば、そのスピードに追い付くことは出来ないだろう。正しく肉を切らせて骨を断つ作戦で命をかけねば勝利などおぼつかないだろう。
そして大柄なシェタッフガルドという騎士にはパワーで打ち勝つことは出来ないだろう。
こちらは必殺の一撃をかわし切り、カウンターでこちらの起死回生の一撃を浴びせる以外に勝ち目はないだろう。
そう、どちらも勝ち目は薄いが、勝つ可能性はある。
グランリスタはそう考えていた。
だが、自分の相手は、この二人ではない。その者達を束ねる、頂点に立つ男なのだ。
魔王新太。
この男がどれほどのものなのか、この目で見定めねばならない。
背中に背負ったグレードソードは魔法の剣である。
その名も<竜の牙>。正しく、ブラックドラゴンの牙を元に作られたと言う『伝説級』の武器であった。
「我が部下が二人とも相手にもならぬとは、魔国は強大な戦力を保有していると見える」
グランリスタは鞘から<竜の牙>を抜き去ると、正面に構える。
「どうかな? まだまだ暗中模索の新しい国だよ」
笑顔を絶やさない魔王新太。
「では、僭越ではありますが私が立会人を務めさせていただきます」
そう言って前に出てきたのは第一試合の勝者、アークエンジェルのセーラ・ガルウイングであった。
「さて、それではグランリスタ将軍と一騎打ちをするために武器を用意するか」
呑気な言い回しでサキュバスのドロステラに手を伸ばす魔王新太。
「今ご準備致しますわ」
そう言ってドロステラが右手の人差し指で空中に魔法陣を描くと、その中から一本の黒い鞘の剣が現れる。
「魔鋼剣になります、新太様。ドワーフの匠、ドノバン殿より一番出来の良い物を預かって来ました。良ければある程度質を見直して兵士用へ量産させるとのことです」
「うむ」
魔王新太が空中の黒い剣を掴む。
飾り気のない鞘を抜き放ち、ドロステラに鞘を渡す。
刀身も鈍く黒光りする直剣だ。グレードソードに比べれば、片手で持てる長さであり一般的なロングソードのサイズに近い物であった。
(兵士用の試作品・・・だと? このワシを相手にとりあえずの武器で挑むか、魔王!)
グランリスタは魔王新太に馬鹿にされたような気分に陥る。
元々が魔王新太、サキュバスのドロステラ共に武器を持っていなかった。
(専用の武器が無いのか・・・それとも)
「さあ始めよう」
だらりと黒い直剣を下げたまま無造作に歩みを進める魔王新太。
「先ほど地面に突き刺した白く輝く大剣は使わぬのかね?」
ここに魔王が現れた時、空から投げつけたと思われる剣だ。
かなりの魔力を放っていた。
「ああ、あれを使うと手加減が難しそうなのでね」
一瞬表情を変えるグランリスタ。
あの白い魔剣を使うと、下手をすれば自分を殺してしまうかもしれない、そう言っているのだ。<竜の牙>の柄を握る手にギリリと力が入る。これほど舐められた記憶は過去にない。だが、それだけの実力が魔王新太にある。
ジリリと圧を感じながらも、部下の命がかかっているとグランリスタは覚悟を決める。
「ゲンプ帝国が将軍、グランリスタ・フォン・ゴッセージ、参る」
「魔国シャングリ・ラ、魔王新太だ。お相手仕る」
「始め!」
セーラの掛け声に瞬時に反応したのはグランリスタであった。
圧倒的な速度で大剣を振りかざす。
その一撃を魔王新太は魔鋼剣で受け流すように弾く。
一度弾かれても鋭い円軌道で流れるような連撃を繰り出すグランリスタ。
だが、その悉くを打ち払い防御し切る新太。
緩やかなフェイントから鋭い突きを繰り出し、その切っ先をずらして躱せば、すぐに胴を薙ぐような横振りの攻撃に転化する。
だが、僅かに間合いを外し横なぎの一撃をかわし切ると、お返しとばかりに右上段の袈裟切りから連続攻撃を繰り出す新太。
その剣先を大剣<竜の牙>で最小限の動きで撃ち落としていく。
お互いに高速の剣撃を繰り出しては、完全に防御し切る展開が続いた。
(ふむ、派手な剣技などは見せぬが、基礎から応用まで、一手一手の剣撃がすべて超一流だな。それこそが将軍を将軍足らしめている力なのか)
新太はグランリスタ将軍と言う男を正しく評価していた。
質実剛健。必要でないことを削ぎ落とすと人間と言う存在はここまでになれるのか。
「・・・だからこそ」
「?」
新太の言葉の意味が捕らえられないグランリスタ。
「だからこそ、貴殿の全力を受け切る必要がある。きたまえ。その全力、揺ぎ無く受け切って見せよう」
剣先を真っ直ぐ突き付け、大胆不敵に宣言する新太。
「・・・努々後悔せぬ事だ」
そう言って正眼に構えた剣に闘気を纏わせていくグランリスタ。
「なるほど、貴殿の切り札は闘気を乗せた剣闘技か」
新太の指摘に剣闘技で応えるグランリスタ。
「剣闘技<闘技断頭斬>!!」
ドシャァァァァァ!!
新太を唐竹割の如く真っ二つにせんと上段より振り下ろされた<竜の牙>から込められた白い闘気が舞い上がる。
地面に切っ先がめり込むほどに打ち込まれた一撃は、僅かにその切っ先を魔鋼剣でずらされ、新太の体をほんの少し左をかすめる様に過ぎた。
今の二人の間合いは正しくゼロ。躱した大剣<竜の牙>の刀身よりも短い距離に二人がいる。
一撃必殺の技を紙一重で交わされたグランリスタはその間合いがゼロ距離になっている事に一瞬反応が遅れた。
「<戦気発勁>!!」
右手に魔鋼剣を持ったまま、鋭く一歩踏み込み左手でグランリスタの胸に鎧の上から掌底を打ち込む新太。
ドオンッ!
ものすごい衝撃を受けて吹き飛ばされるグランリスタ。
鎧に傷が全くないのに、圧倒的な衝撃を胸に受けてたたらを踏むが、それでも剣を離さず倒れない。
だが、新太との間合いが大きく開く。
「ではこちらから行こうか」
そういうとふわりと宙に舞う新太。
「<雷撃>!」
新太の呪文で落雷が起こる。だが、その落雷はグランリスタではなく新太に向かって落ちた。
「!?」
新太は魔鋼剣を頭上にかかげる。
ドガァァァァン!
<雷撃>の落雷が魔鋼剣を直撃すると、魔鋼剣にその雷撃の威力がバリバリと留まる。
「これはっ!?」
グランリスタが目を剥く。
新太が振り上げる剣には先ほどの雷撃の力が宿っているのだ。
「魔剣技<雷撃強襲斬>!!」
空中で両手持ちに変えて右肩に背負うかの如く剣を引き、振り下ろしに加速させる新太。
「うおおおおお!」
裂ぱくの気合と共に大剣<竜の牙>で受けるグランリスタ。
ガシィィィィン!!
「ぐあああああっ!!」
その剣の勢いもさることながら、新太の剣を受けた瞬間体中をすさまじい電撃が走り抜ける。
その衝撃に耐えられず大剣<竜の牙>を取り落とし、煙を噴きながらゆっくりと仰向けに倒れるグランリスタ。
「勝負あり!勝者魔王新太様!」
その瞬間セーラの美しい声が響くのであった。
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