第40話 留学と派遣隊
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ソルテア城内の一室。
ここにソルテア国王シュヴァルツ・ガルム・ソルテア及びシルヴァーナ・ガルム・ソルテア王女が揃ってテーブルについている。
その向かいには中央に魔王新太、左右にドロステラとセーラが座る。
国交樹立と国同士の関係を造り上げて行く上での打ち合わせを行っていく。
「それでは、定期的な精製した塩の供給に対し、魔国シャングリ・ラ側から岩塩を掘り出す作業員と国防のための警備兵の協力を行うこととし、2国間の国交を樹立し、協力体制を築いていく事を目指すものとします」
打ち合わせを行い、いろいろな意見を出し合った後、文章にまとめたドロステラの説明に新太も国王もうなずく。
「こちらにそれぞれ署名をお願い致します」
今の説明を書面化したものを2通製作。それぞれにサインを入れてお互いの国が保管することとした。
「そうだ、シルヴァーナ姫。よろしければ我が魔国シャングリ・ラに留学してみませんか?」
新太は王女に告げた。
「留学・・・ですか?」
「我が国にお越しいただき、お互いの国の文化を学んで、よりお互いの国の良いところを吸収しあおうということです」
新太は別段強い思い入れがあって発した提案ではなかった。
だが、ソルテア国側からすれば、魔国の戦闘力をまざまざと見せつけられた後の話である。否は無かった。
まして自国の姫を「留学」という名で協力国とは言え送り出すのだ。国王からすれば「人質に取られる」という認識であり、シルヴァーナ姫もそう受け取っていた。
瞬時に国王と王女は目配せした後、
「はい、喜んで魔国シャングリ・ラに留学させていただき、両国のため架け橋となれるよう文化などを学ばせて頂ければと思います」
恭しく礼をする王女ではあったが、内心はもはやこの国には戻れないかもしれないとまで思い込んでいた。
―――――それがまったくの杞憂であると分かるまでにはもう少し時間がかかるのであった。
・・・・・・
自国に戻ってきた新太は、まず自国の国名が「魔国シャングリ・ラ」に決定したと国民に発布した。大半の者たちは「あ、名前決まったんだ」くらいの反応であったが。
そして新太はソルテア国に戦力を派遣するため、オーク族を呼び出した。
現在オーク族はゲルダー率いる部族1500人、ゲルリック率いる1500人、ゲルリオン率いる2000人の合計5000人がこの魔国に生活していた。
元々、オーク族はこの他に2部族、約1万人が暮らしていたのだが、魔王新太の「人間を滅ぼさずにうまく利用する」作戦に2部族、5000匹のオークが異を唱えた。
この部族は他のハーピィやゴブリンなどの種族からもメスを無理やり誘拐して繁殖するため何とかして欲しいと苦情が出ていた部族で、人間のメスも同様に狩りの対象であると認識を改めないばかりか、魔王新太のやり方に反旗を翻し、反乱を起こしたので、討伐された。
その討伐も一瞬にして村ごとあらゆるものが切り裂かれる竜巻のような魔法で殲滅させられてしまった。切り刻まれたオークの死骸を他のオークの部族に回収させ、戦力として飼育されているワイバーンなどの魔獣の餌にするという、とてつもなく冷徹な対応を取ったことで、オークの3部族だけでなく、魔王新太に懐疑的だったり不満があったりした者たちも一瞬にして震え上がり、魔王様に反旗を翻すとどうなるか理解してしまったのであった。
新太からしても、オークという種族はオスしか生まれず、種族繁栄のためには他種族のメスとの交配が必要となっていたため懸案事項として気にしてはいたのだ。逆にハーピィはメスしかおらず、やはり種族繁栄のためには他種族のオスの協力が必要であった。そのため、異種間でのコミュニケーションについて苦心していた時に、好き勝手やると宣言して反旗を翻したのだ。種族繁栄のためとはいえ、他種族の合意なく無理やりさらったりすることは到底容認できることではない。話し合いが決裂した上に、他種族を襲った連中を見逃せるほど新太は甘くは無かったのである。
ちなみにオーガやゴブリンはオスもメスもいる種族であるため、種族繁栄自体には問題が無かった。
「ソルテア国と国交間友好条約を結ぶことにした。こちらからの協力はソルテア国の岩塩採掘作業を請け負う作業員とソルテア国を警備する警備隊の派遣だ。その任務についてもらいたい」
「人間の国に行って働くのですか・・・」
「人間の国を警護するのですか?」
「俺たちで大丈夫なんですかい、ボス?」
ゲルダー、ゲルリック、ゲルリオンの順で思った感想を言う。
このオークたちの気性といったものを如実に表していると新太は思った。
「ゲルダーには岩塩を採掘してこの魔国シャングリ・ラに塩を送る責任者についてもらう。ゲルリックにはソルテア国を守る魔国軍派遣駐屯隊の隊長についてもらう。どちらの作業も交代で行い、協力するようにな」
「「はっ!」」
二人は返事をするが、呼ばれなかったゲルリオンは首を傾げた。
「ボス、俺は?」
「お前は国内に残って防衛軍の一翼を担う訓練を続けてもらう。『オークの盾』と『オーガの盾』をあれだけ作っているんだ。我が国の防御戦法を担うお前達を全員国外へ派遣するわけにはいかないからな。特に『オークの盾』は魔鋼純度100%で製作しているからな、敵軍の魔法攻撃に耐える役割を担う。下手すると死ぬ場所へ送り込むから、マジで気合入れて訓練しろよ?」
「おおっ!俺たちをそんなに買ってくれるとは、うれしい事この上ないぜ!ドーンと任せてくれよ!」
ゲルリオンが任せろと胸をドーンと叩いた。
「ああ、期待しているぞ」
こうしてオーク3部族の内、2部族がソルテア国へ出向くことになった。
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