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第39話 魔国の国名をつけ忘れていた件について

評価及びブックマーク追加、誠にありがとうございます!

本当に感激しております。大変励みになります。

今後もコツコツ更新して参りますので応援の程よろしくお願い致します!



「バ・・・化け物だ・・・」


ゲスガンはゲンプ帝国の100人隊長とやらに任命されているらしいので、いわゆる一般兵士よりも格上の待遇だったはずである。


だが、いろいろと出てはいけないものを漏らしながら、ひくついているところを見ると、なんとも言いようのないザコ臭が漂って仕方がない。


「ふ・・・、自分では理解できない世界を全て化け物の一言で片づけるのは己の器が矮小な事を自ら証明しているとしか思えんな」


ヒュッと剣を振って血糊を飛ばすと、鞘へ戻すセーラ。


「国王殿。この男の処遇はソルテア国にお任せするとしましょう」


そう言ってソルテア国王に声を掛ける新太。


「お、おお!かたじけない!この悪党を引っ立てて来い!我が目の前で処断する! それから誰かシルヴァーナ姫を迎えに!」


「「ははっ!」」


城門が開き、衛兵が数人出て来るが、


「シルヴァーナ姫は衣服が乱れております。男性の方はご遠慮くださいませ」


そう言ってドロステラは新太が掛けてやったマントに身をくるんでいるシルヴァーナ姫を支えながら城の方へ歩いて行く。


ぐるぐる巻きに縛られたゲスガンが引きずられながら城門の中へ連れて行かれるので、一緒に歩いて行く。




「いいか、テメエら!俺を殺して見ろ!ゲンプ帝国が黙ってねーぞ!」


未だに喚き散らしているゲスガン。


忌々しく睨む国王。


その国王にそっと耳打ちする。


「我々この山の向こうの魔国の者なんですけどね。ソルテア国と友好関係を築きたくてやって来ましてね。出来れば塩をお取引したくて。こちらは岩塩を掘り出す作業員や、国を護衛する兵士の派遣が可能です。その他イモ類は食料譲渡も可能ですよ」


ニコニコしながら話す新太にソルテア国王が目を丸くする。


「だから、ゲンプ帝国なんぞにいいようにされずに、思うようにご判断ください」


まるで悪魔の囁きのような甘美な言葉に国王が力強く頷く。


「我が国民たちよ! 聞け! 今までゲンプ帝国の悪逆非道な対応に虐げられて来た! だか、今日我々は莫逆の友を得ることが出来た。この呪われたゲンプ帝国の支配を打ち破るのに力を貸してくれる心強い友が現れてくれたのだ!」


ソルテア国王の横に立つ新太、ドロステラ、セーラを見て集まって来た国民たちが不安を口にする。


「おい・・・大丈夫なのか?」

「さあ・・・」

「でもゲンプ帝国の兵士みんなやっつけてくれたんでしょ?」

「女性たちみんな助け出してくれたって」

「今度は魔族が襲って来るんじゃないのか?」

「なら何で今助けてくれたのよ?」


国民たちの中では男性が不安や不信感があるのに対して、総じて女性が魔族の新太やドロステラ、ルーラたちを信用しているようだ。

同じ女性のような魔族が二人、超イケメンが一人、ゲンプ帝国のならず者たちと比べても明らかに洗礼された者達であり、その所作一つとっても優雅であった。

それだけを見てもゲンプ帝国より魔族の国の方が良さそうなイメージがあった。


ソルテア国王が国民に今までどれだけゲンプ帝国が悪逆非道な事をしてきたかを語っている。縛られて跪かせられているゲスガンにヘイトがどんどん集まっている。


「・・・そう言えば、魔国の国名ってなんだっけ?」


新太は何気なく横にいるドロステラに聞いた。


「国・・・名・・・ですか?」


目をパチクリさせながら新太に逆質問する。


「そう、国名」


「・・・まだ決まっていないのでは? 聞いたことありませんが・・・」


「!!」


その奥のセーラにも目配せして懇願するような視線を向ける新太。

だが、焦った表情で首をブンブンするセーラ。


(マジか!? この国(魔国)名前まだついてなかったの!?)


ドロステラが新たにそっと耳打ちする。


「新太様が魔王就任の挨拶で人間国を攻め込むときに国の程を成すために開戦の宣言と共に国名を発表する予定だったと思います」


「それ、どんなのにするか聞いた?」


「いえ、前の魔王様は何にも考えずに俺に任せとけ見たいな人でしたし」


「前の魔王って・・・」


(マズイッ!この後国同士の国交締結とかあるのに、国名決まってないって絶対ダメじゃん!)


ダラダラと冷汗なのか脂汗なのか謎の液体を滝のように流しながら頭の中で超高速回転で考える。


(アレ〇ガルド・・・そりゃ大陸だったか・・・天空の城ラ〇ュタ・・・そもそも天空じゃねぇし・・・)


もはや華厳の滝張りの汗を流している新太にドロステラとセーラは心配が隠せない。


「だだだ、大丈夫ですか?新太様」


ドロステラが新太を覗き込む。


(国の名前・・・美しいドロステラやその他仲間たちと平和な国を築く・・・人間たちとも交流を持って、世界どこでも魔族たちが平和に生きられる理想郷を・・・桃源郷を・・・)


「・・・『魔国シャングリ・ラ』・・・」


「「魔国シャングリラ?」」


ドロステラとセーラがハモッて首を傾げて聞いてくる。

・・・メッチャ可愛い。


「うん、『魔国シャングリ・ラ』。俺の故郷の言葉で「理想郷」とか「桃源郷」とか素晴らしい世界を示す言葉なんだ」


「シャングリラ・・・理想郷に桃源郷、とても素敵な言葉ですわね。さすが新太様・・・。新太様の理想郷をぜひ実現してくださいませ」


「新太様の理想のために我々の力を存分にお使いください」


ドロステラもセーラも感動したように新たに迫る様に伝えてくる。


「・・・どうかされましたかな?」


ソルテア国王がこちらを見た。どうやら演説は一区切りついたらしい。


「魔国シャングリ・ラはソルテア王国と末永く友好を結ぶことをここに誓う! 辛い時は支えあい、窮地の時には助け合い、両国の発展に寄与して行く事を約束しよう!」


「おおっ!何とありがたい言葉!わがソルテア国も魔国シャングリ・ラと友好を結ぶことに異存はない! ここに魔国シャングリ・ラと国交を結ぶことを宣言する!」


「馬鹿な!魔族と手を組むってのか!」


ゲスガンが地面に組み伏せられたまま悪態を吐く。


「ふざけるなよ!魔族がどうした!お前達のゲスさ加減は魔族だの亜人だの種族に全く関係ない!一つだけわかってることがある。お前が生きる価値のない悪党だってことだ!」


「てめえ・・・本当にゲンプ帝国を敵に回すつもりか・・・」


ソルテア国王はゲスガンを冷たく見下ろす。


「もう迷わん!悪党はどんな手を使ってでも滅ぼす!」


「ハッ!ふざけやがって・・・てめえ達の地獄はもう決まったんだ。先に行って待っててやるぜ!」


新太がそっと膝を付き、抑えられているゲスガンにだけ聞こえる様に声を掛ける。


「ああ? 待っててやるだ? オメーのせいでゲンプ帝国は殲滅が決まったんだよ。そう、()()()()()()()。俺はみんなと仲良くやるつもりだったのに、お前が俺にケンカを売ったんだ。だから、()()()()()()()()()()()()()()()


「ば・・・ばかな・・・」


「ああ?魔王にケンカ売って無事でいられるとでも思ったのか?」


そう言って瞬間、魔王気を発する。


「うぐわっ・・・」


ゲスガンは瞬間理解してしまった。絶対に敵には回してはいけない男を敵に回してしまったことを。


「地獄で待ってろ。てめえの国の偉そうな連中どしどし送り込んでやるよ。地獄で手前が攻められろ。お前のせいで国が滅亡したってな。地獄でもてめえは地獄だな、ははっ!」


絶望するゲスガン。


「首を落とせ!」


斧を構えていた執行人が斧を頭の上まで構えた後、振り下ろした。

そしてゲスガンの首は胴から離れた。


今後とも「まおテン」応援よろしくお願いします!

(自分で愛称呼んでます(苦笑))

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

他にも投稿しています。


転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?

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ドラゴンリバース 竜・王・転・生

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よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。


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